猫には「曜日」や「季節」の感覚がある? 正確な体内時計と飼い主との生活パターンが決め手?

猫が曜日や季節の感覚があるのはなぜ?

1.猫は体内時計で把握できるから

猫は、約24時間周期の体内時計を持っています。これは猫だけでなく、多くの動物に共通する特性です。

この体内時計は、光や温度、ホルモンなどの影響を受けながら、睡眠・覚醒・活動などのリズムを刻んでいます。

猫の体内時計は、人間よりも正確です。野生で生きていたころの猫は、早朝・夕方になると狩りをするため行動を始め、そして獲物が活動しない昼に眠くなります。

飼い猫でも、その猫だけの体内時計を持っています。たとえばいつもの餌の時間になるとたとえ飼い主が寝坊していても、猫は正確な時間に起きて餌を催促するなど。

猫は、持ち前の体内時計によって生活リズムが整えられているのです。

2.飼い主の行動パターンで推測できるから

飼い猫の場合、体内時計を整える影響として大きいのが「飼い主の行動パターン」です。恐らく現代の飼い猫たちの多くは、飼い主の行動を観察することで曜日を把握しています。

たとえば飼い主が毎日同じ時間に起きて同じ行動を繰り返すことで、猫は曜日感覚を身に着けています。

子供が学校に行く日は平日、お父さんがいる日は日曜日、お母さんしかいない日は平日といった具合に。猫は約1週間程度の曜日感覚を記憶できるともいわれ、非常に細かく飼い主の生活パターンを把握しているのだとか…。

3.日照時間で把握できるから

猫は、日照時間に基づく季節感覚を持っているとも推測されます。というのも猫の発情期や換毛期というのは、日照時間(気温なども)によって調整されているからです。

たとえば日照時間が14時間を超えると、発情期が始まるといわれるように。これは自宅の照明でも同じような効果があって、長い時間電気がつきっぱなしの家庭だと、発情の季節ではなくても発情行動が見られることもあるようです。

つまり猫は日照時間によって季節の変化を感知し、発情したり毛が抜け替わったりするということ。カレンダーがなくても、ある程度の季節感は感じ取れちゃうんですね。

猫になるべく正確な季節・時間を覚えてもらうためには?

飼い猫になるべく正確な体内時計を持たせるには、飼い主の行動パターンが大きく影響してきます。

猫はもともと「薄明薄暮性」の動物ですが、人と暮らしていると「昼行性」の人間の行動パターンになってきます(個体差あり)。

我が家の愛猫も昼間行動し、夜間はぐっすり眠ります(朝は早いですが…)。このように人間の行動パターンと同じという猫は、意外にも多いんですよ。

つまり人間が毎日規則正しい生活を送っていれば、猫も人(飼い主)と同じような体内時計をもつようになるのです。

また季節に関しても、同じようなことがいえます。

猫は日照時間や気温でだいたいの季節を感じているので、必要ないのに部屋の電気をつけっぱなしにしたり、カーテンを閉めっぱなしにしたりするのはよくありません。

猫の「感覚」が鈍ってしまうので、なるべく控えるようにしましょう。

猫の体内時計は人よりも正確?

実は猫の体内時計は、人間のものよりも正確といわれています。

その理由はずばりタンパク質!体内のタンパク質は約24時間単位で増減するため、それが猫の体内時計の正確さのカギなのではということです。

とくに肉食動物の猫は、雑食の人間や犬よりも多くのタンパク質を摂取します。そのため猫の体内時計は正確で、人間の体内時計はやや曖昧なのかもしれません。

猫と暮らしている人のなかには、あまりに正確な愛猫の体内時計に驚いたこともある人も多いようです。

まとめ

猫は驚くほど正確な体内時計を持っており、曜日や時間を把握しています。

野生下で生きていたときの猫とは異なり、現在の猫は主に飼い主の行動パターンを観察して曜日や時間の感覚を身に着けています。

もちろん太陽の動きや気温の変化からも時間や季節を推測していますが、飼い主との生活によって、猫は「飼い主のリズム」に合わせた生活をしていることがよく分かります。

つまり猫の体内時計は私たちの日常と密接に結びついており、その正確さと適応力には驚くほどのものなのです。

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