2024年3月29日(英国現地時間)、マクラーレン オートモーティブは、次世代スーパーカー、ハイパーカー、そしてその先へとつながるデザイン フィロソフィーを公開した。
マクラーレンが定義した、5つの基本理念とは
マクラーレン オートモーティブは、今後のデザインの方針について声明を発表した。60年にわたるレースの伝統と個性的なスーパーカーに支えられたマクラーレンの次世代デザインは、以下の5つの基本理念によって定義される。
この理念には、モータースポーツ エンジニアリングにおける成功へのアプローチと最先端のスーパーカーを融合させたデザインが分かりやすく表現されている。これらの多角的なデザイン アイディアは、これからのパワートレーン技術を搭載したマクラーレンにふさわしい、次なるデザインへの道を切り開くものとなる
・エモーショナルなエクステリアデザイン
・レーシングカー(F1、Can-Am、GT)からのインスパイア
・マクラーレンF1 ロードカーのセンターシートポジション、ソラス GTのジェットファイター スタイルのスライディングキャノピー、765LTの4連排気フルチタン エキゾーストシステムなど、エクストリームなデザインからのインスピレーション
・引き締まった逞しいボディワーク。空力効率の最大化と軽量化で、パフォーマンスを向上
・高性能パワートレインとシャシコンポーネントの効率的なパッケージング
・バキュームフォーム(削ぎ落とされた)ボディワーク
・運動性能と超軽量を兼備
・テクニカルな要素を前面に押し出し、デザインとエンジニアリングの融合を実現
・マクラーレン・セナやP1のようなアルティメット シリーズに見られる最先端のエアロダイナミクス、新型アルトゥーラ スパイダーや750Sのダブルスキンドアに見られる冷却性能への革新的なアプローチ
・パフォーマンスを追求した設計と究極のドライビングポジション、優れた視認性
・アナログとデジタルが完璧に融合したインフォテインメントシステム
・触れるもの、見るもの、感じるもののすべて、ドライビング エクスペリエンスに直結
・軽量素材を使用したエンジニアリング
・新たな素材開発、軽量化、耐久性、持続可能性の向上
・デザイン要素をシームレスに統合
レースカーや歴代モデルからインスパイアされた理念
これらのデザイン理念は、マクラーレンのモータースポーツにおける豊かな歴史と、最先端のハイパフォーマンスエンジニアリングによる賜物だ。
例えば、フラットで低いノーズ。これは、マクラーレンMP4/4など、伝説的なレーサーにより大成功を収めたF1マシンに採用されていたサイドエアインテークからのインスピレーションだ。
このデザインエレメントは、ロードカーのマクラーレンF1やそのLM、GTRモデルにも採用されており、フロントバンパー、ヘッドランプの真下に配置された大型のエアインテークや、マクラーレン750Sに採用されたインテーク一体型の「アイソケット」ヘッドランプが特徴的だ。
また、マクラーレンのシグネチャーデザインを決定づけるのは、パフォーマンスラインだ。この象徴的なショルダーラインは、マクラーレンを象徴するCan-Amマシンや、F1(ロードカー)、P1のフォルムから直接インスパイアされたもので、前後のオーバーハングが短く、前傾姿勢のプロポーションになっている。
F1から導入され、すべてのマクラーレン車に受け継がれているリアビューデザイン、オープンバックエンドは、放熱機能ももったマクラーレンの特徴的なデザインだ。直線的なグラフィックと水平方向に配置されたデザインは、よりワイド感と車高を強調し、レーシングカーのようなコンパクトなプロポーションを実現している。
そして、マクラーレンのレーシングDNAにインスパイアされた「ラップアラウンド」コクピットは、ドライビングにのみ集中することができる。スタイリッシュなインテリアデザインと、良好な前方視界のおかげで、圧迫感を感じることもない。
マクラーレン オートモーティブの最高デザイン責任者であるトビアス・シュールマンは、以下のように語っている。
「レーシングは私たちのDNAであり、美はパフォーマンスのあくなき追求から生まれます。私たちは60年にわたるマクラーレンの歴史に深くインスパイアされていますが、過去に安住しているわけではありません。私たちのデザインDNAは、マクラーレンの60年にわたるモータースポーツのヘリテージをベースに、革新的かつ超軽量スーパーカーへと昇華させます。新しい時代、新しいクルマ、さまざまなプロダクト、そして その中心にあるのはパフォーマンス by デザインなのです」
マクラーレンは、こうした個性的なビジュアルと最新のパワートレーンによってラインナップを拡充していく。レーシングカーとロードカーの歴史を引き継いだ、ニューデザインの次世代モデルの登場に期待したい。