マイナ申請個人情報で私的電話 郡山、窓口委託の女性懲戒解雇

 郡山市は29日、マイナンバーカードの交付業務を委託する富士ソフトサービスビューロ(東京都)の女性社員が、申請書類で知った市民1人の個人情報を私的に利用し、電話をかけていたと発表した。女性は好意を持ち、後に会いたいという目的だったとしている。同社はこの市民に謝罪し、女性を25日付で懲戒解雇した。市と同社は個人情報保護法に抵触するとして、国の個人情報保護委員会に報告した。

 市と同社によると、女性は同市の郡山BPOセンターに所属し、市役所庁舎内マイナンバーカードセンターで申請窓口を担当。昨年9月下旬ごろ、この市民が申請手続きで訪れた際に、記入した書類から名前、生年月日、電話番号をメモし、自身の携帯電話に登録。その後、市民に電話をかけた。

 同社に15日、匿名の通報があり、女性に確認したところ、私的利用が判明した。同社は刑事告発を含めて警察に相談しているという。

 同社は再発防止策として社員が市民の個人情報を取り扱う機会の削減や、個人情報を保有する時間を短縮するための業務改善などに取り組むとした。

 市は同社からの報告の適正性などを確認する。市は同社への業務委託を継続するという。

© 福島民友新聞株式会社