会津若松と新潟「発酵観光」連携 女性・訪日誘客へ協議会発足

 会津若松市、新潟市と、両市の観光関係団体による「新潟・会津広域観光推進協議会」が29日、発足した。物流などの面で歴史的なつながりを持つ両市が連携を強め、酒やみそ・しょうゆに代表される「発酵醸造文化」を押し出した観光素材を磨き上げ、観光振興を図る。

 両市は昨年7月に観光振興に関する連携協定を締結している。協定に基づき、具体的な事業を進める主体として協議会を設立した。協議会は「新潟・会津」発酵ツーリズム推進事業を展開。2025年大阪・関西万博を見据え、インバウンド(訪日客)を含めた関西方面から誘客を図る。メインターゲットは健康・美容に関心が高い30~40代の女性層、サブターゲットは日本食に関心を持つ外国人と設定した。

 両者の連携について、会津若松市側は、空港や鉄道を持つ新潟市の集客力に期待する。新潟市側は、その交通の利便性の良さから観光の通過点になってしまうことが課題といい、会津若松市の観光客受け入れ態勢、おもてなしの雰囲気を参考にしたいとしている。

 協議会は今後、目玉となる発酵醸造素材の洗い出しを行い、夏には絶景や温泉と組み合わせたモデルルートをつくる。秋ごろには旅行業者などを招いてモニターツアーを実施し、課題整理や改善を行う。最終的には旅行商品として完成させ、両市の観光誘客増につなげていく。

 協議会の設立総会は会津若松市で開かれた。

© 福島民友新聞株式会社