やりたいことがあるなら「お金がない」は禁句?…お金が不思議と“集まる”口癖、“逃げていく”口癖【ベストセラー作家が助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「やりたいことがあるの。だけど、お金がなくて……」多くの人が抱えている「お金がない」という悩み。友人や家族に会った際、つい口に出してこぼしてしまうという方も多いのではないでしょうか。しかし、『お金の不安がなくなる小さな習慣』(毎日新聞出版)著者の有川真由美氏は、「お金がない」を禁句にしたらお金が回り始めたといいます。今回は、たったいまから取り組める、お金の不安をなくす口癖やマインドについてみていきましょう。

「お金がないから」の言い訳をやめたら、お金が回り始めた

これを禁句にしたらお金が回り始めたと実感するのは「お金がない」という口癖。

あなたのまわりにもいないでしょうか。「やりたいことはあるけど、お金がない」「お金がないから、旅行にいけない」などといっている人が。

「お金がない」というのは、厳しい言い方をすると、自分への言い訳。言い訳していれば、行動しなくていいし、失敗することもありませんから。「やりたい」と思うのなら、可能性はゼロではないということ。本気なら、お金がなくても、どんな手段を使ってでも実現しようとするでしょう。

「お金がない」を口癖にしていると、「お金に縁がなく、管理もできない人間」と自分自身に刷り込んでいるようなもの。なによりカッコ悪いし、まわりからも信用されず、声もかけられなくなります。

私は「お金がない」「時間がない」「若くない」など一切の言い訳と、なにかのせいにすることをやめてから、人生が180度変わったといっても過言ではありません。

頭をフル回転して“やるだけやる”と、信頼もお金も引き寄せられる

最初は世界一周の船に乗りたいと考えたとき、スタッフとしての乗船が実現。留学するときは、奨学金をもらって。個展を開くときは友人に額を作ってもらいました。

簡単にあきらめるのではなく、「もしかしたらできるかも?」と思うことが始まり。言い訳をしないと決めたら「ほんとうにお金がないのか?」「お金をつくれないか?」「お金を遣わずにできないか?」と、頭をフル回転して考えるようになります。

うまくいったことも、いかなかったこともありますが、結果よりも「やるだけやった」という満足のほうが大きいもの。そんなふうに動いていると、見ている人は見ていて、どこからか手助けやチャンスが舞い込んでくるものです。

お金というのは、交換するための手段で、問題解決のひとつにすぎません。言い訳をやめると、信頼と一緒にお金も引き寄せられてくるのです。

お金に好かれる人は、「ありがとう」と言っている

お金をもっとも引き寄せると確信する言葉が「ありがとう」です。

お金に好かれる人は、家族や同僚、カフェの店員さんにも、にっこり「ありがとう」といっている印象があります。とくに身近で「ありがとう」といわれている人は、「あなたは私にとって価値のある人ですよ」という賛辞のシャワーを浴びているようなもの。当然、「この人にはよくしてあげよう」と思うでしょう。

富裕層向けのビジネスをしている人が、「経済的にゆたかな人はクレームが少ない。きちんと意見はいうが『丁寧に対応してくれてありがとう』と収める余裕がある」といっていたことありました。「金持ち喧嘩せず」といいますが、余裕があるから喧嘩しないのではなく、争うのはリスクだとわかっている人が、金持ちになるのです。

「ありがとう」という言葉は、人間関係を潤してくれるだけでなく、自分自身でつぶやくことで、心のバランスをとり、明るく保ってくれる作用があります。

失敗しても「いい経験ができた。ありがとう」、人と別れるときも「楽しい時間だった。ありがとう」、窮地に立っても「まわりに支えられている。ありがとう」など感謝することで、〝自分がいまもっているもの〞に目が向きます。

「足るを知る者は富む」…“足りないもの”より“足りていること”に目を向けて

「足るを知る者は富む」という諺もあります。

人間は本能的に〝足りないもの〞に気持ちが向くようになっています。そこにとらわれると、自分で自分を苦しめ、〝足りているもの〞が見えなくなります。

「足りない」という飢餓感や欲望は強いエネルギーになりますが、大事なのは、その欲望がいまの自分のとって必要か、ただのないものねだりかを仕分けすることです。感謝する習慣のある人は、ほんとうに欲しいものだけに欲の力を発揮して、あとは満ち足りた気分で過ごすから、富むことができるのです。

むりにポジティブより、“あえて悲観的”のほうがうまくいく

「ポジティブなことしか考えないようにしましょう」「いいことを考えればいいことを引き寄せる」など啓発本などでよく見かける思考。間違ってはいないと思います。

しかし、これは行動する段階のこと。人生を歩いていくためには、計画の段階で〝落とし穴〞があることもわかって、それを避けたり、落ちても軽傷で済むようにしておいたりする必要があるのです。

とくにお金の面では、あえて「最悪の事態」を想定する必要があります。

たとえば、夫婦で家やマンションを購入して、離婚するときにもめるのはよくある話。あとで「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、予防線を張っておくのは、ひとつの責任なのです。

ほんとうのリスクヘッジとは、起こってから対応することではなく、起こらないように気をつけること。万が一、離婚したときのお金の配分などを考えることも大事ですが、まずは離婚しないようにコミュニケーションをとることのほうが先でしょう。

これまで心理学の研究でも、「楽観的な人は成果をあげやすい」とされてきました。「自分はできる」「うまくいく」と信じることがパワーになり、不安にとらわれないからです。しかし、一方で「心配性で悲観的な人も成果をあげる」ともいわれます。

「これができていない」「まずい。もっとがんばらなければ」と考えて動く人は、不安が原動力になるのです。心配性でしっかり確認する人も、ミスが少ないでしょう。「ああ、もう自分はダメだ」と悲観にとらわれて行動できなくなるのが問題なのです。

悲観的に計画して、楽観的に進む人がもっとも成果が大きいといいます。

悲観的に考える人は、楽観的な人に比べて不安やストレスを感じることも多いもの。ですが、その分、うまくいくことも多く、人生の満足度、幸福度も大きいのです。

有川 真由美
作家

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