虫が大好きで千葉から沖縄・久米島高校へ進学 卒業を前に「島の方々への恩返しに」と標本展 ガやチョウの希少種も

 沖縄県立久米島高校園芸科を1日に卒業した3年の川畑春佳さんが、久米島博物館で「ちっちゃなむし展」を開催し、延べ677人が来場した。千葉県出身で虫が大好きなため自然豊かな久米島高校に進学。在学中に採取し標本にしたガを中心に、チョウ類や甲虫類を紹介した。「3年間支えてくれた島の方々への恩返し」といい、小学生たちが熱心に見学し質問していた。(比嘉正明通信員)

 企画展は2月22日~3月3日にあった。小さなガの成虫は針とピンセットを使い、顕微鏡を見ながら羽を整えて乾燥させた。2022年に採集したガの仲間のタイワンシラホシトリバは、国内での採取例が少なく、久米島では初記録になるという。

 身近にいる「チャーギ虫」が、チョウではなくガの仲間だと知り驚く来場者もいた。

 小さなガが好きな川畑さんは小学1年の時、夏休みの宿題として始めたガの幼虫観察日記が「山武郡市児童生徒科学作品展論文の部」で銀賞を受賞した。「観察してまとめることの楽しさ」を知ったといい、高3では「入れ歯洗浄剤を用いたガ類の交尾器の観察法 水酸化ナトリウムを使用しない安全な方法の開発」で日本鱗翅学会第68回大会奨励賞に選ばれた。

 展示会を終えた川畑さんは「展示を通して島の再発見につながればうれしい」と語った。鳥取大学農学部に進学する。

川畑春佳さんが久米島高校在学中に集めたガの標本
「ちっちゃなむし展」を開いた千葉県出身の川畑春佳さん(中央)=3日、久米島博物館

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