企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」東京都美術館で、“自然と人の関係性”5人の現代作家を紹介

企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」が、東京都美術館にて、2024年7月20日(土)から10月9日(水)まで開催される。

自然と関わりつつ制作を行う現代作家に着目

企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」は、自然に深く関わりつつ制作を行う5人の現代作家、榎本裕一、川村喜一、倉科光子、ふるさかはるか、ミロコマチコを紹介する展覧会だ。写真、木版画、油彩画、水彩画、インスタレーションなど、さまざまな作品を通して、自然と人の関係性に光をあててゆく。

たとえは、榎本裕一は、2018年より北海道の根室にもアトリエを構え、冬の景色をモチーフに制作を行ってきた。近年取り組んでいるのが、アトリエ近くの自然の光景が偶然に織りなす形に着想した作品。一見すると抽象画のように思える油彩画は、よく見れば風景が浮かび上がるものとなっている。本展では、雪の湖面を表す新作などを展示する。

また、ふるさかはるかは、青森で自然とともに生きる人々に取材を重ねつつ活動。自身が採取した土や、自ら育てた藍から絵具を作り、木の形や木目を活かして版木を手がけるなど、自然と関わる手仕事としての木版画に取り組んでいる。本展では、取材地の漆を使った大きな木版画を制作し、会場の空間に合わせた展示を展開する。

本展の作品は、未開の大自然ではなく、自然と人の暮らしが重なる場で育まれたものだ。そこには、生命の輝きや自然の驚異ばかりでなく、都市生活では希薄になりやすい、人の力の及ばない自然への畏怖と敬意をも感じることができるだろう。

展覧会概要

企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」
会期:2024年7月20日(土)~10月9日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30~17:30(金曜日は20:00まで)
※入室はいずれも閉室30分前まで
休室日:月曜日(8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)は開室)、9月17日(火)・24日(火)
観覧料:一般 1,100円、大学生・専門学校生 700円、65歳以上 800円、高校生以下 無料
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者(1名まで)は無料(証明できるものを要提示)
※同時期開催の特別展「デ・キリコ展」「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」のチケットを提示することで、各料金より300円引き

■出品作家
榎本裕一、川村喜一、倉科光子、ふるさかはるか、ミロコマチコ

【問い合わせ先】
東京都美術館
TEL:03-3823-6921

© 株式会社カーリン