アジアを世界経済の成長センターに ボアオ・アジアフォーラム

アジアを世界経済の成長センターに ボアオ・アジアフォーラム

22日、ボアオ・アジアフォーラム国際会議センターに掲げられた年次総会のロゴ。(ボアオ=新華社記者/楊冠宇)

 【新華社ボアオ3月30日】世界の政財界関係者らが経済や社会、環境分野の協力などについて話し合うボアオ・アジアフォーラムの2024年年次総会が29日までの4日間、中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮で開かれた。今年のテーマは「アジアと世界:共通の課題、共同の責任」だった。

 会期中に発表された年次報告書「アジア経済の見通しと統合プロセス」は、アジア経済の成長と地域経済統合の推進エネルギーは依然として力強いと指摘。今年のアジア経済の成長率は4.5%前後となり、引き続き世界の経済成長への寄与度が最も大きい地域になるとの予測を示した。

アジアを世界経済の成長センターに ボアオ・アジアフォーラム

28日、「アジア成長センターの構築」と題したサブフォーラムの会場。(ボアオ=新華社記者/陳子薇)

 「アジア成長センターの構築」と題したサブフォーラムでは、中日韓三国協力事務局の李熙燮(イ・ヒソプ)事務局長、シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境相、東南アジア諸国連合(ASEAN)のカオ・キムホン事務総長、韓国産業通商資源部の楊炳乃(ヤン・ビョンネ)副部長らが、アジアを世界経済の成長センターとして確立させ、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の枠組みを高度化させるための取り組みなどについて議論を交わした。

 李氏は同事務局について、中国、日本、韓国の3カ国が2011年に設立し、既に13年の歴史があると紹介した上で、アジア地域は長年、協力メカニズムを通じて信頼を積み重ね、RCEPなどの枠組みを活用してより包摂的で効果的な地域協力体制を構築してきたと述べた。フー氏は、アジア諸国にはより大きな協力が必要だが、貿易ルールを尊重し、貿易摩擦を軽減して、より多くの投資を呼び込み、より大きな市場を構築することが前提になると指摘。各関係者や企業はRCEPを十分に活用すべきであり、さまざまな分野がASEANに溶け込み、統合することで、RCEPは役割を十分に発揮でき、さらなる進展に向けより良い基盤を築くことができると呼びかけた。

アジアを世界経済の成長センターに ボアオ・アジアフォーラム

28日、「アジア成長センターの構築」と題したサブフォーラムの会場。(ボアオ=新華社記者/陳子薇)

 カオ氏は平和、繁栄、パートナーシップ、グリーンエネルギー転換、人材、協力潜在力の6分野に注目すべきだと指摘。中国が14年連続でASEAN最大の貿易パートナーであることに触れ、中国とASEANは、企業や商工業界がRCEPを十分に活用し、各国に利益をもたらすよう、RCEPに関する広報活動を強化していると説明した。

 楊氏はアジア諸国間の協力について、質を重視し、製造業を高度化すべきとの考えを示した上で、大局的な視点で気候変動や高齢化などの国際的な問題に対する独自の解決策を打ち出し、アジアを真の世界経済の成長センターとして確立させる必要があると指摘。RCEPについては、アジア諸国間の相乗効果の発揮、相互補完的な協力の実現、経済統合のさらなる推進に向け、極めて重要な役割を果たしているとの認識を示した。(記者/陳子薇)

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