駿河湾フェリーが「金ぴか」に…その狙いは? 貸切特別室や豪華弁当も 静岡市~伊豆市

静岡県の清水港と土肥港とを結ぶ駿河湾フェリーが、新たな姿に生まれ変わりました。狙いは付加価値を付けた観光誘客です。

能地優アナウンサー:「こちら、普段は青色の駿河湾フェリーがきょうはゴールドに塗装されています。そして船首には徳川家康の家紋・三つ葉葵の旗がなびいています」

静岡市清水区の日の出埠頭に現れた、駿河湾フェリー。金色仕様になっています。なぜこんなに輝いてしまったのでしょうか?

静岡県 川勝平太知事(去年5月):「新たに『黄金KAIDO』プロジェクトを立ち上げることを発表する」

静岡県では新潟県や長野県、山梨県の4県と協力して新たなプロジェクトを始動させています。その名も「黄金KAIDO」。徳川家康が開発に力を注いだ佐渡金山と土肥金山、その間には湯之奥金山、金鶏金山があることから、これらを結ぶルートを「黄金KAIDO」と名付け観光を促進しています。4県に点在する金山をキーワードに、高速道路事業者やフェリー事業者などと協力して、観光誘客を一体的に促進する狙いがあるのです。

黄金の駿河湾フェリーは「黄金KAIDO」のシンボルとして企画され、船体にあった土肥から清水の文字も「GOLD ROAD」に塗り直されています。

船内1階部分には「黄金KAIDO」にちなんだ金のグッズが立ち並び、また休憩スペースも金を運んでいた航路をイメージして、デザインが一新されました。

静岡県観光交流局 影島英一郎局長:「より多くのお客様を迎えて、船の旅を楽しんでもらいたいと思っている。静岡県の魅力をこの船を通じて発信していきたい」

コロナ禍で大幅な利用客の減少を経験するなど、集客にまだまだ課題が残る駿河湾フェリー。金ピカ仕様にリニューアルされたことで、より多くの観光客誘致を目指していきたいといいます。

その目標達成のため、内装へのこだわりは強く、通常の運賃に500円追加することで乗れる2階の特別室は壁や柱に金色があしらわれ、座席のヘッドレストカバーも金色のロゴが入っています。こちらでも十分、特別感の味わえる空間となっていますが、この黄金のフェリーにはもっとすごい場所があるといいます。

能地優アナウンサー:「こちら3階にやってきました。貸切特別室です。一体、どんな部屋なんでしょうか。目の前窓があって景色を一望することができる。今は曇っていて外が見えずらいが、晴れていると綺麗な景色が見えそう。そして内装も黒とやっぱりゴールド入っている。ものすごく豪華な空間」

片道の場合、運賃に加えて1万2000円を支払えば利用することができる貸切特別室。晴れた日には駿河湾の眺望を独り占めすることができ、優雅な船旅を楽しむことができます。

さらに貸切特別室でのみ注文できるのが「プレミアムラウンジ・ゴールドプラン『IEYASU(家康)』」。プロジェクションマッピングの上映のほか、フェリー限定のお酒などのドリンク、そしておつまみの高級弁当が味わえるプランです(1~5人まで10万円 6人以上は1万円ずつ加算)。

お弁当を提供するのは静岡市の会社です。

なすび 赤堀真太郎常務
Q.ものすごく豪華なお弁当ですけども、こちらはどういったお弁当になるんでしょうか?

A.「今回、この貴賓室で食べるおつまみを中心としたお弁当をご用意しました」

能地アナ:「とてもおつまみのようには見えません。ものすごく豪華です」

駿河湾フェリーに乗船した人しか食べることのできない「おつまみ御膳 富士」。「富士」という名前にも思い入れがあるといいます。

なすび 赤堀真太郎常務:「徳川家康といえば、一富士二鷹三茄子ということですので、その中でも一番トップの富士をこちらの方にご用意をしました。桜えびのかき揚げであったりとか、駿河湾産の鯛であったりとか、お酒とお料理を一緒に楽しんでもらえればいいなと思っています」

26日は記念遊覧も行われ、乗船したお客さんも大満足の様子でした。

浜松市の20代男性「きょうの第2便から塗装がゴールドになって出港するという情報があって、これは逃すわけにはいかないなって思って乗った」

静岡市の50代男性:「若い子がたくさん乗っているとか、地元なのでうれしい。観光客はたくさん来てもらって、静岡がもっと賑やかになればうれしい」

ふじさん駿河湾フェリー 滝浪勇理事長:「インバウンド、今海外に向けて、やっぱりまだ広報が足りないっていうのも一つあるし、今回金の船にしたのをきっかけに、海外に向けて中国が金が好きだとか、いろんな話も聞いているので、中国、台湾を中心に伸ばしていきたいというふうに思っている」

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