自閉症の子育てる母、リハビリ事業の進歩に尽力 中国貴州省

自閉症の子育てる母、リハビリ事業の進歩に尽力 中国貴州省

27日、愛心家園児童特殊教育リハビリトレーニングセンターでトレーニングを受ける自閉症の子ども。(貴陽=新華社記者/李驚亜)

 【新華社貴陽3月31日】中国貴州省貴陽市南明区にある愛心家園児童特殊教育リハビリトレーニングセンターでは連日、大小さまざまな教室で自閉症の子どもと成人約300人が訓練やケアを受けている。

 「中国での自閉症リハビリ事業の進歩を目の当たりにしてきた」と語る趙新玲(ちょう・しんれい)センター長(64)は、自閉症の子どもを持つ母親で、20年以上自閉症のリハビリ事業に携わってきた。

 4月2日は国連が定めた世界自閉症啓発デー。研究によると、自閉症の罹患率はここ数年、世界中で増加傾向にあり重大な公衆衛生課題となっている。中国では1982年に初めて症例が報告され、今では患者数は1千万人を超えている。

自閉症の子育てる母、リハビリ事業の進歩に尽力 中国貴州省

2010年の中秋節(旧暦の8月15日)に合わせて愛心家園児童特殊教育リハビリトレーニングセンターを訪問した人々にあいさつする趙新玲センター長(右)。(資料写真、貴陽=新華社記者/李驚亜)

 趙さんの息子は2000年に生まれ、2歳で重度の自閉症と診断された。当時、省内には自閉症のリハビリ施設がなく、趙さんは03年に各界からの支援を受けて、貴陽市に同センターを設立した。16年には対象年齢を拡大し、貴州省で自閉症の成人に対するケア、リハビリ、就職支援分野の空白を埋めた。現在、同センターで訓練を受ける0歳から6歳までの自閉症の子どもたちは、全員政府からの補助金を支給されている。

 過去20年余りの間に趙さんがサポートした子どもたちは7千人を超える。趙さんは「最大の変化は、社会の人々が自閉症について徐々に理解し受け入れてくれるようになったこと。課題はまだ多いが、未来に自信を持っている。保護者の方々も一人で悩まず心を開き、積極的に自閉症と向き合って、人生を受け入れ楽しんでもらいたい」と語った。(記者/李驚亜)

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