雌カエルはまばたきで雄に秋波 中国の研究者が確認

雌カエルはまばたきで雄に秋波 中国の研究者が確認

雄の凹耳蛙。(資料写真、合肥=新華社配信/張方)

 【新華社合肥3月31日】中国の安徽師範大学(安徽省蕪湖市)は、同大生命科学学院の張方(ちょう・ほう)教授の研究チームが中国固の有種で、超音波でコミュニケーションをとることが証明された初めてのカエルとして知られる「凹耳蛙(Odorrana tormota)」の野外観察と実験を通じ、雌の性淘汰にまばたきが重要な役割を果たしている可能性を確認したと発表した。研究成果は11日、国際学術誌「カレントバイオロジー」に掲載された。

 世界に現存するカエルは、ほぼ全ての種がまばたきの可能なまぶたを持つ。性淘汰の研究では雌カエルがどのような雄を選ぶかが国内外で盛んに議論されているが、至近距離での求愛行動については明らかになっていなかった。

雌カエルはまばたきで雄に秋波 中国の研究者が確認

抱接中の凹耳蛙。(資料写真、合肥=新華社配信/張方)

 研究者らはこれまでの研究を踏まえ、雌の凹耳蛙の性淘汰にまばたきが重要な役割を果たしているのではないかとの仮説を立て、野外での自然な抱接(繁殖期にカエルの雄が雌に抱きつく行動)や実験下での抱接の観察、ビデオ映像の検証により、雌のまばたきを受けた雄だけが雌を抱接でき、そうでない雄は蹴り飛ばされることを確認。仮説を証明した。

 今回の研究は、カエルにまばたきという視覚信号が存在することを初めて明らかにし、このようなコミュニケーションが少数の霊長類だけでなく、他の脊椎動物にも存在する可能性があることを示した。張氏は研究成果について、カエルのコミュニケーション行動を方向づける大きな進展であり、動物の視覚信号の起源と進化を理解する上で重要な意義を持つと語った。(記者/周暢、戴威)

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