松本人志、文春との5億5000万円裁判開始のなか復帰先「日テレ・TBS・フジ」に見える“温度差”

松本人志(ダウンタウン)(C)ピンズバNEWS

女性に男女の関係を強要したなどと『週刊文春』に報じられたダウンタウンの松本人志(60)が、発行元の文藝春秋などを相手取り、5憶5000万円の損害賠償や訂正記事の掲載などを求めた裁判の第1回口頭弁論が3月28日に行なわれ、大きな話題になっている。

松本が出廷することはなかったが、訴状で松本側は記事に登場するA子さん、B子さんの特定を要求。2人の氏名(芸名)、住所、生年月日、携帯電話番号、LINEアカウントを提出することを文春側に求め、「A子、B子さんがわからないから反論できない」などと主張。文春側は拒否し、それが波紋を広げている。第1回口頭弁論は約5分で閉廷。次回は6月5日にオンラインで行なわれる。

ワイドショー関係者は言う。

「裁判は始まったばかりですが、X(旧ツイッター)での声明や一連の報道でもそうですが、松本さんサイドからは“できるだけ早く復帰したい”という思いも伝わってきますよね」

松本は3月25日にXを更新して《人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです ダウンタウン松本人志》と思いを綴った。

「自身がお笑いをやりたいというのが一番だとは思われますが、番組関係者や後輩芸人、スタイリストやメイクなどの周囲の関係者の仕事が減ったり、失ったりしている状況に申し訳ないという気持ちもあるはずです。

ただ、テレビ局側は“ずっとは待っていられない”というのが本音なんです。テレビ不況で現在のテレビ局には余裕がない。ダウンタウンの、松本さんの番組だからCM出稿していた、という企業も多くあります。松本さんの復帰の目途が立たない、となるとスポンサーを降りてしまう企業も出てくるでしょう。裁判の決着までは、3年はかかるのではという見方もありますよね……」(前同)

■松本人志の復帰を最も強く願っているのはTBSか

松本が裁判に注力するために芸能活動を休止したのが1月8日。松本やダウンタウンが出演する番組は代理MCを起用する、松本不在のまま続けるなどの対応に追われた。

民放キー局関係者は話す。

「松本さんの活動休止からもうすぐ3か月が経過しますが、テレビ各局には温度差が出てきているんです。テレビ朝日は系列局のABCテレビ制作の『M-1グランプリ』があるものの、ダウンタウン、松本さんのレギュラー番組はありませんから、特段変化はないでしょう。ABCで制作・放送されている『探偵!ナイトスクープ』は、代理局長で放送を行ない、松本さんの復帰を待つ姿勢ですよね。

それ以上に“松本さんに戻ってきてほしい”と思っているとされるのがTBSですね」

TBSでは『水曜日のダウンタウン』、『クレイジージャーニー』を放送。『水曜日のダウンタウン』は1月31日の放送回からオープニング映像を変更。松本に代わりに、過去に松本が番組で扮したマスクレスラー「エル・チキンライス」のイラストを使用するようになった。

「あれは遊びの一環だといいますが、不在中の松本さんを楽しくイジるなど、極めて良好な関係を築いていることがうかがえます。『水ダウ』はVTRが肝の番組ですが、松本さんの復帰は熱望しているといいますね。また、特にTBSは、局としてダウンタウンに依存していたことも、早期の復帰を願う理由の1つでしょうね」(前同)

TBSではレギュラー番組のほかに、『お笑いの日』、『キングオブコント』、『キングオブコントの会』、『ドリーム東西ネタ合戦』など、ダウンタウン、松本を中心とした特番が大好評を博してきた。

「ダウンタウン、松本さんとガッチリ組んで大型特番作りをしてきたんです。そして、それらの特番は視聴率も抜群に良かった。今、TBSのバラエティとダウンタウンは、切っても切れない関係と言えるでしょうね。そのTBSと温度差があるとされるのが、フジテレビと日本テレビなんです」(同)

■フジテレビと日テレは……

フジテレビは中居正広(51)との『まつもtoなかい』を早々に『だれかtoなかい』に改題し、MCには嵐の二宮和也(40)が就任(3月31日放送回で卒業)。『人志松本の酒のツマミになる話』は2月9日から『酒のツマミになる話』に改題し、松本に代わってセンターに千鳥・大悟(44)が座ることになった。

「二宮さんは3月31日で卒業し、4月からは新たな“だれか”がMCになり中居さんとタッグを組みますが、フジは、他局と比べるとかなり早い段階で松本さんが不在でもOKの体制を整えたと言えますよね。

その理由として言われるのが、現状のフジテレビの余裕のなさ。同局は近年、視聴者離れが進み、視聴率が厳しいことになっていて、CMが入らない状況になっているといいます。毎年のように各番組の制作費は大幅にカットされて、スタッフは悲鳴を上げています。

もちろん各局、余裕はありませんが、そうした事情でフジは特にスポンサーの意向が絶対となっているとも言われています。フジテレビは、スポンサーがいい顔をしない、懸念を示す時点で松本さんよりもスポンサーの意向を優先せざるを得ない、と。ですので、TBSよりも松本さんの復帰に対して熱が冷めてきていると聞こえてきていますね」(前出の民放キー局関係者)

現存のダウンタウンの番組で最も歴史のある『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』、2023年に30周年を迎えた『ダウンタウンDX』(読売テレビ制作)を放送する日本テレビも、松本復帰への熱はトーンダウンしている言われる。

「読売テレビ制作の『ダウンタウンDX』は別にして、松本さんが復帰したこところで大晦日恒例の大型特番『絶対に笑ってはいけないシリーズ』の放送はもう厳しいですからね。松本さんと浜田雅功さん(60)が還暦を迎えた昨年、グランドフィナーレを計画していましたが頓挫。この状況で今年の放送はありえないでしょうし、そうなると体力的な面など含めて、もう『笑ってはいけない』の復活は厳しいでしょう。

そんな状況下で、民放で最も戦略的とも言われる日テレは“次を探さないと”というマインドになっていると聞こえてきています。

松本さんサイドはできるだけ早期の復帰を目指していて、レギュラー番組を持つテレビ局も早く帰って来てほしいと思っている。しかし、それが叶わない、となると――それでも待ち続けようという局、“次”に進もうという局、局によってかなり温度差が出てきているのは間違いありません」(前同)

余裕がなくなってきているテレビ業界。松本の復帰は果たしていつになるのか――文春との裁判の行方に注目が集まる。

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