資産ポートフォリオのスパイスとして注目!
2024年も早いもので約3か月が過ぎました。地域によっては桜の開花など春の訪れを感じられるようになったのではないでしょうか。
今年は年始から新NISA制度の開始や日経平均株価が史上最高値を更新するなど、投資に関するニュースを多く耳にする機会がありました。
実は、米国株にも非課税で投資をすることができる新NISA。それでは、外国の株式を米国市場を通して購入できる方法があることはご存じでしょうか。
今回の記事では新NISAの利用度を確認したあと、世界の企業に投資できる「ADR」について解説。記事の後半では、ADRの使い方についても見ていきます。
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【最新】新NISAの利用度「72.8%」をマーク
実際、どれくらいの個人投資家が新NISAを使っているのでしょうか。
株式会社日経CNBCが現役の投資家を対象にインターネットで実施した調査によると72.8%が新NISAを使っているという結果となりました。
投資をしている人の7割以上が使っているということになります。
実は、米国株にも非課税で投資をすることができる新NISA。それでは、外国の株式を米国市場を通して購入できる方法があることはご存じでしょうか。
新NISAと相性が良い場合もあります。その方法について詳しく見ていきましょう。
外国株を米国株として保有できる「ADR」って何?
アメリカ以外の企業の株式を、米国株と同じように、ドル建てで米国市場で売買できる、株式と同じ性質を持つものをADR(米国預託証券)といいます。
個別の銘柄同様の値動きをしますので、間接的に外国の株式を保有できるという認識で問題ありません。
株主権利も発生するため、配当金等も受け取ることができます。
日本では任天堂やトヨタも…ADRを利用する企業とは?
ADRを利用している企業にはどのようなものがあるのでしょうか。
たとえば日本の企業であれば任天堂やトヨタ自動車はADRを利用。つまり米国の株式市場でも購入できます。
外国の企業としては最近熊本県の工場が稼働した台湾のTSMCやソフトバンクグループ傘下であるイギリスのARMホールディングスなどがADRを利用しています。
注意点として、ADRは証券会社ごとに扱っている銘柄が異なるので自分の使っている証券会社の銘柄一覧をチェックしてみると良いかもしれません。
外国企業に投資できる「ADR」、どのように活用するのが良いのでしょうか。次の章から詳しく解説していきます。
どうする、ADR?活用方法2つをご紹介
外国企業に投資ができるADR、どのように活用するのが良いのでしょうか。
今回は2つの活用法をご紹介します。
活用法1:「高配当株式投資」の選択肢として
1つ目は高配当株投資として利用することです。
投資をする目的の1つとして配当金によるインカムゲインを重視している人は多いのではないでしょうか。
SMBC日興証券株式会社が新NISAについての意識調査として、日興フロッギーの利用者9684名および、Fastaskによるインターネットアンケート回答者計1545名を対象にした調査を実施しました。
その結果成長投資枠で投資したい商品として「配当金がある株式」という回答が67%で最多となりました。
株式を持っているだけでお金が貰えるというところが配当金を狙った投資の魅力かもしれませんね。
2024年3月現在、日本株が上昇していることから配当額を株価で割った配当利回りは低下しつつあります。
ADRの中には日本株よりも利回りが高い銘柄もあり、高い配当利回りを狙うこともできるのでより高い利回りを目指す場合の選択肢の1つとして使うことができます。
活用法2:「分散投資」のひとつとして使える
活用法の2つ目としては分散投資のひとつとして使うことです。
資産運用においては、投資先を分散させることが重要というお話は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
ADRを活用することでアメリカ以外の企業にも投資ができ、資産の分散効果を得ることができます。
新NISAでも保有できる? ADRとの相性は?
外国株式に投資ができるADR、新NISAで保有できるか確認していきましょう。
ADRはNISAの成長投資枠で保有できる
ADRの商品は基本的にNISAの成長投資枠を使って保有することができます。
つまり、年間240万円、生涯で1200万円までだったら非課税で運用することが可能ということですね。
ADRは企業がある国の税制が反映される
ADRはNISAとの相性が良い場合があります。
ADRの配当金に対する税率は投資先企業の国籍によって変わります。
そのため、配当金にかかる税金がゼロの国の企業のADRをNISAで保有すれば全てを非課税で受け取ることができます。
このように、配当金を丸々非課税で受け取ることができる国のADRはNISAとの相性が良いと考えてよいのではないでしょうか。
資産ポートフォリオの「スパイス」として
今回は外国株式に投資ができるADRについて見てきました。
皆さんの多くは日本株やインデックスファンドで資産形成をされているのではないのでしょうか。
ADRは新NISAでも活用することができ、既に持っている地域とは違った投資先を選ぶことができるので、分散先のひとつとして考えてみても良いかもしれませんね。
参考資料
- PRTIMES【⽇経CNBC・投資家アンケート】新NISAを個⼈投資家の72.8%が利⽤、⾮課税制度の拡充や使い勝⼿の良さ評価、株高のひとつの背景に
- PRTIMES 新NISAに関する意識調査(2023年2月) 日興フロッギー白書 「新NISA、みんな何買う?」
- 年金積立金管理運用独立行政法人 分散投資の意義③卵を一つのかごに盛るな