能登半島地震の発生から4月1日で3か月です。液状化で被害を受けた新潟市西区で復旧は進んでいるのか。被災地域を取材しました。
液状化による被害が大きい西区寺尾周辺。大きく陥没して水が溜まっていた新潟西郵便局の駐車場は、応急措置は講じられているものの現在も割れた地面がむき出しになっています。
発生4週間後に取材した私道を訪れてみると…
■富山詠美アナウンサー
「道路が大きく波打ちひびが割れているのがわかります。地震発生から4週間後にも同じ場所に来ましたが、そのときと比べてフェンスが撤去されたりビニルシートで覆われている箇所ができたり少しずつ変化はあるが、手の届いていないところも多く残っている。」
建物が傾くなど大きな被害を受けた「ホテル寺尾」は…
■ホテル寺尾 勝島猛代表
「6m下に杭を打って固い岩盤を作ったので、これでもう液状化の心配はないということで専門家がやってくれた。」
一部の敷地は地盤改良がおわり、被害があった別館の利用も4月1日から再開しました。しかし、まだ使えない部屋があります。
■ホテル寺尾 勝島猛代表
「せっかくの北陸応援割がありながら部屋がないために随分断っている。まだ予算があるので本当はもっと泊ってほしい。」
復旧が少しずつ進む一方で頭を悩ませているのは…
■ホテル寺尾 勝島猛代表
「正直に言いますとお金が苦しいです。12月分があったので1月はなんとか乗り切れたが、4月1日銀行に払い込みをして2・3月の経理を出したら売り上げが半分だった。そうなると自分の今あるお金を運転資金にまわそうとなっている。」
地域の人たちの励ましが心の支えです。
■ホテル寺尾 勝島猛代表
「ラーメン屋さんに入ったときも、寺尾さん頑張ってねと言われるんでねありがたいことです。励みになります。」
新潟市は4月1日、中原市長を本部長とする「復旧・復興推進本部」を新たに設置しました。
■中原八一市長
「庁内の連携体制を整え、本格的な復旧復興に全庁を挙げ確実に進めていかなければいけません。」
4月1日の会議では液状化被害からの復旧スケジュールが示されました。
4月中にも外部の有識者らによる液状化対策の検討会議を設置。道路と下水道についてはこの会議で有効な復旧策を検討し、工事に着手します。具体的な工事開始時期は未定です。住宅地は今後、地盤調査を経て、液状化対策自体をするか2~3年かけて決めるとしています。
新潟市の住宅被害は全壊93棟を含む1万5900棟あまり。下水道は13km、道路は321路線で液状化の被害が確認されています。
■中原八一市長
「宅地の液状化対策は住民のみなさんからの負担も出ると思いますので、こうした内容は決定した段階で被災者の皆さんにお伝えする。」
また、西区の住民を対象に液状化などに関する説明会を27日と30日に開く予定で、江南区でも5月中旬ごろの開催を検討しています。