神戸・王子動物園 ジャイアントパンダ「タンタン」天国へ 被災地・神戸に笑顔を振りまき24年

笹を食べるありし日のタンタン ※神戸市立王子動物園 公式Xより

神戸市は1日、市立王子動物園(同市灘区)で飼育されていたメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」が3月31日に死亡したことを明らかにした。

タンタンは日本にいるパンダで最高齢。人間の80歳に相当する28歳だった。

《記事中の画像は、神戸市立王子動物園 公式Xより》

2021年3月に心臓疾患が見つかり、翌22年春から一般観覧を中止していた。 今年(2024年)3月15日から病状が悪化し、日本・中国双方のジャイアントパンダ専門家のチームで治療に全力を注いでいた。
3月31日に心肺停止となり、蘇生措置を行ったが、同日午後11時56分に死亡が確認された。

タンタンは、阪神・淡路大震災で被災した神戸市が、「被災地に明るい話題を」と中国側に要望し、日中共同飼育繁殖研究の目的で2000(平成12)年7月16日、四川省のジャイアントパンダ保護センターから貸し出された。
名前は一般から公募され、21世紀の幕開けにふさわしい、”夜明け・日の出”を意味する「旦」の文字を使った。それ以来約24年間、神戸市民に勇気や希望を与え続けてきた。

2度の契約延長を経て2020年に帰国する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大や体調不良などのため、返還期限を今年(2024年)12月まで延長していた。

王子動物園は1日、「タンタンはみんなを笑顔にさせてくれる、太陽みたいな存在でした。これまで多大なる配慮、ご協力をいただきました中国関係者の皆様、タンタンを愛してくださったすべての方に心からの感謝を申し上げます」とコメントした。

同園のパンダ館では、2日から献花台を設ける。

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