沖縄県の危機管理補佐官に元自衛官 吉田英紀氏が新役職に就任 西日本豪雨で災害対応を経験

 玉城デニー知事は1日、沖縄県庁で、新設の危機管理補佐官として元陸上自衛隊自衛官の吉田英紀氏(65)に辞令を交付した。豪雨災害に見舞われた福岡県飯塚市で防災危機管理監を務めた経歴があり、高度な専門知識や実務経験を持つという。吉田氏は「危機事態から命を守るための活動に取り組みたい」と抱負を語った。

 危機管理補佐官のような県の役職に元自衛官が就くことに県人事課は「初めてかどうかは分からない」と回答。「(一般的な採用で)前職が自衛隊かどうかは関係ないので調べようがない」としている。

 大規模災害発生時に庁内の関係部局や国、市町村などとの調整や情報の集約などを担当。平時には県の防災や国民保護体制に関する検証と見直し、防災訓練などの運営を手がける。

 一般職で任期は2年。最大5年まで延長が可能で、知事部局に統括監級で配属される。県は「一般職のため給与は非公表」とした。

 吉田氏は1982年に陸上自衛隊に入隊し、那覇駐屯地業務隊長などを歴任。退任時は1等陸佐で九州補給処企画課長だった。2014年8月から飯塚市の防災危機管理監として、18年にあった西日本豪雨災害では市民の避難促進や災害対策の進捗(しんちょく)管理、対策本部の運営など役割を果たした。

 玉城知事は「豊富な知識と経験を生かし、県内の災害や危機事象へ取り組んでほしい」と期待した。

吉田英紀氏

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