トヨタの『もっといいクルマづくり』の拠点が完成。豊田章男会長「下山産のクルマが、たくさんの人を笑顔にしてまいります」

 トヨタは4月2日、豊田市と岡崎市にまたがる山間部に約3000億円を投じて建設を進めてきた研究開発施設『Toyota Technical Center Shimoyama(トヨタ・テクニカルセンター・シモヤマ)』について、先月25日より全面運用を開始したと発表した。

 トヨタにおける「もっといいクルマづくり」を牽引していくことになる同施設は、愛知県豊田市の旧下山村、および同岡崎市旧額田町の一部にて、テストコースや関連設備の建設が進められてきた研究開発施設だ。

 3つに分けられたエリアのうち、すでに下山の自然地形が活かされたテストコース“カントリー路”がある中央エリアが2019年4月から、“高速評価路”や世界各地の特殊な路面が再現された“特性評価路”を備えた東エリアが2021年10月から順次運用されており、2020年に販売が開始された『レクサスIS』を皮切りに新型車の開発が同施設で行われている。

 そんなToyota Technical Center Shimoyamaにおける未完成工区であった西エリアが竣工し、2024年3月25日より全面運用が開始された。この西エリアには車両開発棟と来客棟が建設され、前者はレクサスカンパニーおよびGRカンパニーの事業・開発拠点となる。また、来客棟はビジネスパートナーやサプライヤーのとの垣根を越えた共創の場となるという。

 なお、施設建設にあたっては環境保全への取り組みとして、約650haにおよぶ敷地面積の約6割で土地本来の森林が残されたほか、緑地を新たに造成するなど自然環境にも配慮されている。この関連施設として昨年3月には、里山体験イベント等、地域住民との交流などに活用される環境学習センターが東エリアに誕生した。

「この施設の構想がスタートしてから30年近く経ちます。地域の皆さまに『トヨタが下山に来てよかった』と笑顔になっていただきたいという想いで、ずっとやってまいりました」と語るのは、4月2日に行われたお披露目式に出席したトヨタ自動車の豊田章男会長。

「この『皆さま』には、本日お越しいただいた“人間”の皆さまだけでなく、古くからお住まいの“動物や植物の皆さま”も含まれております。そんな地域との共生に向け、愛知県、豊田市、岡崎市など行政の皆さまに多大なるご協力をいただきました。また、下山および松平地区にお住まいの皆さま、長きにわたる建設期間、そして、これからも末長くとなりますが多大なるご理解とご支援をいただいていること、心より感謝いたします」

「GR、レクサスのメンバーなど総勢3000人が、本日より、ここで“走る・壊す・直す”を繰り返してまいります。私もマスタードライバーとして下山の道をたくさん走ってまいります。下山の道がクルマをつくる……。生産工場ではありませんが、これから“下山産のクルマ”が世界のあらゆる道を走り、たくさんの人を笑顔にしてまいります」

Toyota Technical Center Shimoyama(東エリア)の車両開発棟 内観
Toyota Technical Center Shimoyama(東エリア)の車両開発棟 内観
Toyota Technical Center Shimoyama(東エリア)の車両開発棟 内観
Toyota Technical Center Shimoyama(東エリア)の来客棟 外観
Toyota Technical Center Shimoyama(東エリア)の来客棟 内観

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