「悲願のJ2へ」福島ユナイテッドに加勢 新役員就任、経営後押し

新体制となり、悲願のJ2昇格に向けて飛躍を誓う(右から)鈴木社長、小山CEO、寺部会長、須佐名誉会長=福島市

 サッカーJ3の福島ユナイテッドFCを運営するAC福島ユナイテッドが2日、新たな経営体制を発足させた。国内外でサッカークラブの経営などを手がけるスポーツX(京都市)社長の小山淳氏が中心となり、クラブの経営基盤の強化に乗り出す。現J2藤枝MYFCを創設し、5年でJリーグに昇格させた経営ノウハウを生かし、悲願のJ2昇格に向けて福島を後押しする。

 同日、福島市で開いた臨時株主総会で決まった。2019年から筆頭株主だった東洋ワーク(仙台市)が上場準備に伴い、グループ会社など3社が保有する計2万4000株を譲渡。小山氏と藤枝の経営時からつながりがあり、東京都で投資ファンドを行う寺部達朗氏が2万2167株(51.08%)を持ち、筆頭株主となる。スポーツXは残りの1833株を取得した。

 新役員として寺部氏が会長、小山氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任。鈴木勇人社長は留任し、ほかの新役員にスポーツXが関わるサッカークラブの運営を担う3人が入った。須佐尚康会長(東洋ワーク会長)は名誉会長に就く。

 スポーツXは小山氏が創業した「Jプレイヤーズ」から新会社として独立、17年に設立された。サッカーの関西2部リーグおこしやす京都ACや東北社会人リーグ1部みちのく仙台FCなどの経営に携わっている。

 小山CEOは臨時株主総会後に記者会見し「多くの人にスタジアムに足を運んでもらえるような取り組みに力を入れる」と抱負を語り、寺部会長は「これまでの知見を生かして地元に愛される強いチームをつくりたい」と意欲を見せた。鈴木社長が新体制の概要を説明し、飛躍を誓った。

 地元愛で集客力強化 小山CEO抱負

 クラブ運営を担う小山CEOは「一層地域に愛されるクラブになるように尽力する」と抱負を語った。

 ―福島の運営に関わろうと思ったきっかけは。
 「藤枝MYFCにいた10年前に一緒のリーグで戦っていて、福島が県内初のJクラブとして多くの人の支えや勇気になっていると思っていた。株主やスポンサーから地域一丸となって支えられている印象もあり、地域と共に歩んでいる点に強みと魅力を感じた」

 ―取り組みたいことは。
 「福島はリーグの中で最も見ていてわくわくする、チャレンジングなサッカーをしている。ただ一方で集客につながっていない部分もあり、もっと地域の方々と触れ合っていくことで、スタジアムに足を運んでみようと思ってもらいたい」

 ―就任の意気込みを。
 「互いの強みを発揮できるようにスポーツXからも人材を投入して体制を補強する考えだ。クラブ運営を通して地域課題の解決にも取り組んでいきたい」

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