マカオで今年2人目の在郷軍人病感染者確認…患者は37歳地元男性、潜伏期間中に香港と広東省中山市渡航歴

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

 マカオ政府衛生局(SSM)は4月2日夜、マカオで今年(2024年)2人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 患者はマカオ居民の男性(37)で、3月24日に発熱と咳の症状が現れたことから同月26日に私立総合病院の鏡湖醫院を受診。その後も症状が持続したため、28日に同院を再受診し、入院する運びとなり、胸部X線検査で右下肺に肺炎が認められ、また尿検体検査でレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性となったことから、在郷軍人病に感染していると診断された。目下、患者の治療は続いているものの、容体は安定しているとのこと。患者は潜伏期間中に家族と香港及び広州中山市への渡航歴がしたが、同行の家族に類似の症状は出ていないという。

 SSMによれば、在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられているとのこと。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

 マカオで在郷軍人病の感染者が見つかるのは珍しい。今年は3月に1人、近年では2023年が1人、2022年が1人、2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。マカオ域内のほか、中国本土滞在時に感染したとみられるケースもあった。

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