防府の佐波川SA、全国初のコラム式駐車場整備へ トラックやトレーラーを3台縦列で駐車

コラム式駐車場整備が計画されている佐波川SAの公園部分

 西日本高速道路(NEXCO西日本、大阪市)は、山陽自動車道下り線の佐波川サービスエリア(SA、山口県防府市)にトラックやトレーラーなどの大型車を3台縦列で止める「コラム式駐車場」を設ける。限られた駐車スペースに、より多く車両を止められるようにするための全国初の試み。2024年度に設計などに着手し、数年後の完成を見込む。

 NEXCO西日本によると、国土交通省との協議を経て整備方針を決めた。SAやパーキングエリア(PA)は従来、車を止めたり出発したりしやすいよう、1台か2台の縦列で止める駐車枠を採用している。3台縦列は真ん中の車両が出づらくなるため、列ごとの出発予定の時刻を定めて運用する計画という。

 佐波川SA下りの公園部分に造る予定。広さなどの詳細は今後詰める。24年度は測量や設計を進める方針。コラムは「縦列」という意味の英語で、ドイツの同様の取り組みを参考にしたという。

 近畿と九州の間にある中国地方の高速道SA、PAは深夜や未明に大型車の駐車枠が埋まり、運転手が休めないことが問題になっている。佐波川SAでも21年度の平日調査で、時間帯によっては駐車枠の140%の大型車が入り、止まれず出て行く車があったという。

 国土交通省高速道路課は「コラム式駐車場は、1列が一斉に出発するのでところてんをイメージしてもらえれば仕組みが分かりやすい」と説明。NEXCO西日本広報課は「有効性をまず佐波川SAで試し、他のSA、PAへの拡大も検討したい」としている。

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