フィンランドの学校で発砲、1人死亡 逃走した12歳児童を取り押さえ

フィンランドの首都ヘルシンキ郊外ヴァンターの学校で2日、発砲事件があり、児童1人が死亡、2人が重傷を負った。

警察によると、関係児童は全員12歳だった。発砲したとされる児童は現場から逃走したが、その後、取り押さえられた。

フィンランドのメディアは保護者らの話として、発砲があったのは教室内だと伝えている。

警察は、通報から9分後の現地時間午前9時17分に現場に到着したと説明した。

地元警察のトップは、「犠牲者の1人は校内でほぼ即死だった」と説明。残りの2人は病院に運ばれ、重傷だという。

事件は、イースター(復活祭)の連休が明け、学校が再開したタイミングで起きた。事件に関与した児童は全員、6年生だった。

発砲したとされる児童は、警察が学校に到着すると逃走。しかし午前9時58分に、ヘルシンキ北部で「落ち着いた様子」で取り押さえられたという。走行中の車から撮影された映像では、学校から4キロメートルほどの道路脇で、児童が取り押さえられている。

警察によると、この児童は銃を持っていた。発砲について認めているという。

当局は殺人と殺人未遂の疑いで捜査を進めている。

フィンランドでは15歳未満の未成年は刑事責任を問われない。そのため今回の児童は拘束されず、取り調べの後には社会福祉施設の管理下に置かれる。

児童は、近親者が所持していた銃を使用したとみられている。フィンランドでは銃の所有が広く普及しており、15歳以上の未成年も、他人の銃器を使用するライセンスを得ることができる。

フィンランドのペッテリ・オルポ首相は、今回の発砲事件は深い動揺をもたらすと指摘。メンタルヘルス(こころの健康)に悩む若者が非常に多いことを示すものだと述べた。

アレクサンデル・ストゥブ大統領も、ショックを受けたと語った。政府は3日を服喪の日にするとしている。

フィンランドでは2007年、18歳の生徒が銃撃事件を起こし、生徒6人と看護師、教頭を殺害した。翌2008年にも、半自動小銃を使った学校での銃撃事件があり、生徒9人と教師1人が射殺された。

これらの事件を受け、銃を所持できる年齢が18歳以上に引き上げられた経緯がある。

(英語記事 Finland shooting: Child held after pupil aged 12 shot dead at school in Vantaa

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