「まさか観光中に災害に見舞われるとは…」 搭乗予定客、那覇空港の3階へ避難 沖縄に津波警報で一時騒然

 那覇空港では3日、台湾での地震の影響で欠航や遅延が相次ぎ、観光客など搭乗手続きをする人たちで混雑した。那覇空港事務所によると、3日午後1時現在で、少なくとも94便が欠航し、目的地変更が28便あった。那覇空港ビルディングは、沖縄本島地方に津波警報が発令された午前9時ごろから、搭乗予定客らを建物の3階に避難させるなどし、一時騒然となった。

 遅延の影響で、荷物預け入れの再開を家族4人で待っていた鯨井英樹さん(53)=千葉県=は滞在先のホテルで地震の速報を知った。「まさか観光中に災害に見舞われるとは思わなかった」と驚いた様子。「予定便が45分遅れるが、欠航ではなく良かった」と安堵(あんど)していた。

 小学5年生と高校3年生の2人の息子と南風原町の実家に帰省中だった女性(47)=神奈川県=は、出発便の掲示板を見て立ち往生。「神奈川も最近は地震が多いけど、津波警報の経験はない。警報が出た時に子どもたちは『ここは高台なのか』と心配していた」と話した。購入していた東京行きの便は欠航が決まり「子どもは金曜日から学校なのに」と困惑していた。

 京都から沖縄に観光で訪れた管本安次さん(75)は「天気の心配はしていたが、まさか地震や津波が起きると思わなかった」と肩を落とした。孫の玲七さん(12)は「家族も心配していて早く帰りたい。観光を楽しんだのに不安な気持ち」と困惑した表情だった。

全ての搭乗手続きが停止され、建物の4階へと避難する那覇空港の利用客=3日午前10時12分、那覇空港ビル(竹尾智勇撮影)

© 株式会社沖縄タイムス社