春日大社の神様に「こんにゃく」を供え 奈良県川上村で古来の技法用い製造 - 「上巳の節供祭」

「上巳の節供祭」で高坏にのせて神前に運ばれるこんにゃく=3日、奈良市春日野町の春日大社

 奈良市春日野町の春日大社(花山院弘匡宮司)で3日、五節供祭の一つで女児の健やかな成長を祝う「上巳(じょうし)の節供祭」が営まれ、奈良県川上村で古来の技法を用いて製造されたこんにゃくが神饌(しんせん)の一つとして供えられた。

 現代はこんにゃくを固める際に「水酸化カルシウム」などの化学調味料を用いるが、同村の大辻哲二さん(74)は、樹木灰の「灰汁(あく)」を使用した古来の技法でこんにゃくを生産している。

 奉納は県の産業振興に携わる彩耕の高橋清治社長(66)が発案。川上村の食文化や伝統の継承を目指す栗山忠昭村長も参列した。こんにゃくは高坏(たかつき)にのせて神前に運ばれた。

 生産者の大辻さんは「このような機会を頂けて今までの苦労が報われた気がする」、栗山村長は「村に伝わる産品をお供えできて光栄」と話した。

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