【4月4日付編集日記】新聞週間

 若者の活字離れが進んでいるといわれて久しい。電車で本や新聞を読む人は減り、スマホを握っている人が大半だ。だが、果たしてそうだろうか。ある大学生の話を聞いていて、ふと思った

 ▼東日本大震災の被災3県の魅力を発信する文学賞と映像賞の授賞式でのこと。審査委員らによるトークに参加したこの学生は、文庫本を読んできたばかりといい、「最近、ノートにものを書く人が多くなっている」と明かした。スマホ疲れからか、紙の方が感情を出せるというのだ

 ▼書店は減っているが、本好きの学生はどの時代も一定程度いる。紙の手触りを感じながら、文字を読むことで想像力を得られることもあるだろう。アナログだからこそ記憶に残る効果もありそうだ

 ▼6日から「春の新聞週間」を迎える。新生活が始まる時期に新聞の魅力を伝えるキャンペーンだ。新聞には、多くの記者が時間と労力をかけて取材した強みがある。読みたい記事のそばにある別の記事が役に立つことも

 ▼仲間との話題づくりのため、ネットや交流サイト(SNS)で情報をくまなく収集している皆さん。紙の新聞を手にしたら、好奇心をくすぐられるような、思わぬ出合いが待っているかもしれません。

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