冨永愛が日本の伝統文化の現状と未来を探る番組が始動。「世界に誇る日本の伝統文化を伝えていきたい」

BS日テレでは、4月10日から冨永愛がレギュラー出演する「冨永愛の伝統to未来~ニッポンの伝統文化を未来へ紡ぐ~」(水曜午後10:00)がスタートする。番組では、日本各地の土地に根づく伝統文化を紹介。先人たちから受け継がれてきた伝統の素晴らしさを伝えるとともに、後継者問題など伝統文化が置かれている現状、そして、進むべき未来を探っていく。

初回となる4月10日からは、5週にわたって「染の王国 新宿編」をおくる。東京・新宿の中井・落合周辺は、江戸時代に染め物の工房が数百軒集まる「染の王国」だった。なぜ新宿が染め物の町になったのか? 冨永が染め物の工房を訪ねながら、その謎を解いていく。

最初に訪れたのは、100年以上続く江戸小紋の老舗「廣瀬染工場」。かねてInstagramなどで日本の伝統文化の魅力発信を行なっていた冨永は、昨年「廣瀬染工場」を訪問し、江戸小紋の繊細や文様にほれ込み、着物を発注していた。

このたびのロケで再訪した冨永は、出来上がったばかりの着物と対面。その出来上がりの素晴らしさに感動する。「廣瀬染工場」の4代目・廣瀬雄一氏は、10歳から始めたウィンドサーフィンでシドニーオリンピックの強化選手となり活躍していたが、大学卒業後、染め物で海外に挑戦したいという思いから、4代目として家業を継ぐことを決意したとのこと。着物に縁のない人たちにも江戸小紋の魅力を知ってもらうため、ストール専門ブランド「comment?(コモン)」を立ち上げるなど、その普及に努めている。

そんな廣瀬氏に、なぜ新宿が染め物の町になったのかを聞くと、その背景には「水」が関係していることが分かる。さらに、家業を継ぐと決心した理由、江戸小紋の魅力などを問われた廣瀬氏は「伝統だから守らなきゃいけないのではなく、今見ても“奇麗”だから続いてきたし、これからも残していきたいんです」と語る。パッと見ただけでは分からないほど繊細な文様をどのように染めているのか。江戸時代から受け継がれてきた伝統の技に、冨永も挑戦。プロ顔負けの腕前に廣瀬氏も驚く一幕も。

2回目以降の放送では、江戸小紋に不可欠な美濃和紙、伊勢型紙の職人も登場。東京(江戸)の工芸である江戸小紋に、なぜ岐阜(美濃)と三重(伊勢)の技術が必要だったのか? その謎に迫る。それ自体が芸術作品といわれる型紙作りの技術、その型紙作りに欠かせない美濃和紙の紙すき技術とは? そして後継者や原料不足など、さまざまな問題に直面する中、各工芸が行なっている新たな試み、今後の展望などを聞いていく。

番組後半では、東京を代表する染め物・東京手描友禅の作家・小倉隆氏の工房を訪問。日本三大友禅といわれる京都、加賀(石川県)、東京の職人が一堂に会し、「友禅の職人は深爪になりがち」など、友禅ならではの“あるある”話で盛り上がる。加えて、着物を着る人が少なくなった今、友禅が進むべき未来について語り合う。

東京都新宿区で行なわれたロケを終え、冨永は「私が日本の伝統文化を知ろうと思ったきっかけは、海外で仕事をするようになってからでした。同世代の10代のモデルたちが、自分の国のことをよく知っていることに驚かされました。そして、日本のことを語れない自分がすごく恥ずかしくて、日本のことをもっと知らなくてはいけないなと痛感しました」と、伝統文化に興味を持った経緯を述べる。

続けて「着物の着付けを習ったのが始まりで、着付けから、反物の美しさへ、その美しさを生み出す染付や友禅の技術…というように、どんどん世界が広がり、すっかり伝統工芸の技に魅了されました。私は細かい手仕事が大好きで、今は時間的に難しいですが、伝統工芸の職人さんに弟子入りできたらと思っているほどです」と明かし、その言葉からは熱い思いが伝わってくる。

10年以上前から、BS日テレに勤める友人と「伝統文化の魅力を伝えていきたい」と話をしていたという冨永。「機が熟して、読売新聞のプロジェクト『Action!伝統文化』と連携して、今回番組を立ち上げることができました。これから、日本全国の伝統文化の職人さんたちとお話させていただき、その技を体験させていただき、世界に誇る日本の伝統文化の美しさ、楽しさ、カッコよさ、未来に向けた取り組みを伝えていきたいと思います。視聴者の皆さまが私と一緒に日本の伝統文化の魅力をもっと知り、伝統文化に触れる機会を増やすきっかけにしていただけたら、とてもうれしいです!」と、番組という形になったことを喜んでいる。

なお、「冨永愛の伝統to未来~ニッポンの伝統文化を未来へ紡ぐ~」では、読売新聞社が取り組む伝統文化振興プロジェクト「Action!伝統文化」と連携し、紙面を使った情報発信やイベント事業など、日本の伝統文化の魅力発信・支援活動をマルチに展開していくことも決定している。能登半島地震で被災した伝統工芸の現状、催事・展示会などの情報発信や、復興支援イベントなども企画していく。

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