花澤香菜「花野井くんくらい恥ずかしがらずに自分の気持ちを真っ直ぐ伝えてくれるのはうれしい」『花野井くんと恋の病』インタビュー

By TV LIFE

2024年4月4日(木)から放送スタートする、TVアニメ『花野井くんと恋の病』(TBS系 毎週木曜 午後11時56分〜)。累計発行部数400万部突破(電子書籍含む)の森野 萌による原作は、恋がわからない女子×愛が重すぎる男子の初恋ラブストーリーだ。恋愛とはちょっぴり縁遠かった高校1年生・日生ほたるが、隣のクラスの花野井くんに何気なく傘を差しだした、その小さな出来事がきっかけで、後日「僕と付き合ってください」と花野井くんから公開告白をされてしまい…。そんな本作でヒロインの日生ほたるを演じている花澤香菜さんに、作品や花野井くんの魅力、さらには高校時代の思い出などを伺いました。

◆原作漫画の『花野井くんと恋の病』は、恋がわからない女子 × 愛が重すぎる男子の初恋ラブストーリーですが、読まれたときの感想をお聞かせください。

オーディションを受けたときに読んだのですが、止まらなくなってしまって! やっぱり少女漫画っていいなぁと思いました。恋愛の要素もたくさん詰まっているし、恋というものに向き合い、分析しながら、お互いが寄り添い合ってちょっとずつ進んでいくのがすてきだなと思いました。

◆花澤さんが演じている日生ほたるは、どんな女の子ですか?

ほたるちゃんは、とにかく思いやりがあるんです。恋とか関係なく、花野井くんに掛ける言葉がすごく優しい。相手のことを考えすぎちゃうくらい考えている子なんだなって思いました。でも自分が譲れないところには芯が通っていたりして、たまに“武士”みたいになるんです(笑)。そこも、普段のほわほわ優しい感じとギャップがあって面白いなと思いました。

◆“武士”ですか?

例えば、花野井くんとこれからどうしていこうかって打開策を見つけていくときに、「何々をしましょう!!」って、決意表明みたいなことをするんです。それが女子高生じゃない感じで、これは武士としか言いようがない! っていうモードに入る感じがしたんですよね(笑)。

◆共感するところはありましたか?

彼女はトラウマがあって、どうしたら人を傷つけないかというのを考えながら生きているんです。私もトラウマではないんですけど、子役をやっていたので、わりと人の顔色を伺いながら過ごす時間が長かったから、そこは共感しました。何かひと言発する前に、これは言って大丈夫かな? って考えちゃうところがあるんです。

◆ほたるを演じる上で、難しかったところはありますか?

彼女の性格を汲み取り過ぎてしまうと、大人っぽく聞こえ過ぎてしまうんです。でも、恋愛に関しては経験がそもそもないので、どういう気持ちかわからないというピュアさが前に出るほうがいいのかなということになって、現場ですり合わせていきました。だから、高校生というより、中学生くらいのテンション感で臨んでいたと思います。

◆ピュアだけど、大人っぽさもあるというバランスは、難しそうですね。

そこがやっぱり難しかったです。仲良しの3人組がいるんですけど、その中で、きょーちゃん(浅海響/CV.久保ユリカ)が一番高校生っぽいんです。明るくて人懐っこい感じなので、そこで結構バランスが取れていたのかなって思います。しばむー(柴村月葉/CV.坂本真綾)の場合は、別次元で大人っぽいところがあるんですけど。

花澤香菜

◆一方、花野井くんは、ほたるの隣のクラスにいるイケメンで、愛が重すぎる男子ということですが、愛が重いというのも珍しいですよね。

重くていいんですよ!(笑)。愛情表現って難しいじゃないですか。照れちゃうし、見返りがないと不安になっちゃったりするから。私と同世代の人が花野井くんみたいなことをやっていたら、ちょっと考えちゃうかもしれないけど、高校生の花野井くんであれば、全然いいんです。あれくらい恥ずかしがらずに自分の気持ちを真っ直ぐ伝えてくれるのはうれしいし、めちゃめちゃ大事にしてくれていると思います。何より、口だけでなく行動で示してくれるから、ホントに信頼できるなと思いました!

◆演じているのは小林千晃さんです。

千晃くんとこんなに絡む役は初めてなんです。同じ事務所だから、デビューの頃から知っているし、ずっと応援していたので、アフレコ現場でこんなに掛け合う役ができたことがすごくうれしくて。ただ、実際にやってみると、千晃くんの声って、こんなに色っぽかったかしら? と思うくらい、花野井くんの色気と千晃くんの声の色気が合わさって、最強人間が生まれていたんです(笑)。花野井くんがささやくシーンがあるんですけど、終わったあとに「ありがとう」って言っちゃいましたから(笑)。だから花野井くん推しの視聴者の皆さんも、画面に向かって「ありがとう」って言うんじゃないかな。そのくらいすてきでした。

◆花澤さんも花野井くん推しになっているわけですね。

いや、だって、めちゃめちゃかっこいいんですよ! ほたるちゃん以外の人に冷たいところとかも、「ほかの子にいい顔しないの? いいね、それ!」ってなっちゃう(笑)。その冷たさ加減もいい感じに演じてくれているんですよ!

◆笑顔をほたるにしか見せないですからね。

あの屈託のない笑顔をほたるちゃんにしか見せないのはもったいないです! でもだんだんと周りの人たちとも仲良くなってくるので、そこでも花野井くん、そして千晃くんの声は、際立ってくると思います。

◆アフレコの雰囲気はどうでしたか?

キャストがわりと同世代が多かったんです。だから、完全に高校生の淡い恋愛にやられちゃって、「いいね〜!」みたいになっちゃってましたね(笑)。あと、花野井くんのこの行動はありなのかとか、ほたるちゃんのこの行動は勘違いしちゃうよねとか、そういう会話が尽きない現場でした。だからめちゃめちゃ楽しかったんですけど、外野はちょっとうるさかったですね(笑)。私たちがお芝居をしたあと、みんな「く〜〜〜」って感じになってて、ちょっと面白かったです。

◆皆さんで収録できていたのはうれしいですね。

私は千晃くんと掛け合うことが多かったので、このせりふをどうやって言うんだろう? って、毎回楽しみにしながらアフレコをしていました。あとはやっぱり(木村)良平くんの演じている八尾創平が好きなんです。あの報われなさそうな感じ? ほたるちゃんの幼馴染なんですけど、この人たらし感が、漫画を読んでいて、好きなキャラだなって思いました。それを良平くんがやっているのがまたいいんです。

あと、仲良し3人組のきょーちゃん役の久保ちゃんも、普段からあのノリの良さなので、ぴったりだなと思ったし、しばむー役の真綾さんは、一緒に録れてはいないんですけど、声は聞いていて、「同級生になれたぁ」って思いました(笑)。すごくうれしかったです!

花澤香菜

◆この作品では2人が出会ったことで、それぞれの人生が変わっていくようなところがあると思ったのですが、花澤さんご自身は高校生のときに人生が変わるような出来事や出会いはありましたか?

『ゼーガペイン』というアニメで初めてヒロインをやらせていただいたのが高校生だったので、それは大きかったですし、めちゃめちゃ今の人生に影響していると思います。当時子役をやっていましたが、そんなにせりふのある役をやったことはなかったんです。めくれどめくれどせりふがあったし、(作中で)ロボットに乗るけど、ロボットなんて乗ったことがないから、「きゃー!」っていうせりふも、ジェットコースターやお化け屋敷でしか言ったことがないんですよね。だから家で、壁に向かって練習していたことを思い出します。あのときに出会った先輩たちに今お会いすると、「ありがとうございました」って言ってしまうんですよね(笑)。

◆その頃から仕事をしていて、学校行事には参加できていたのですか?

お仕事はそんなに忙しくはなかったので、ちゃんとやっていましたよ。生徒会の副会長だったんですけど、全然やることがない、一番いいポジションなんです(笑)。でも一度だけ会長がいないときがあって、体育祭で開会式の言葉を私が急遽言わなければならなくなったときは、普段から真面目にやっておくべきだったなと思いました。本当に何も言えなくて「はじめよーー!!!」みたいな、ダメだこりゃって感じだったので(笑)。

◆ある意味そのテンションは、今にも通じる気が……(笑)。学校の行事では何が好きでしたか?

イベントでは文化祭が楽しかったです。演劇部ではなかったんですけど、担任の先生が演劇好きな人で、有志を集めて劇をやるみたいなことになって、参加したんです。毎日お稽古をしていて、あのとき役名でクラスメイトを呼び合っていたのとか楽しかったし、かわいっ! って思いますね(笑)。

◆すごく青春な感じがします。でも、そういう高校行事を今も味わえるのが、声優という仕事のいいところでもあるような気がします。

面白いですよね。自分の経験値を削ぎ落としていくのって、アニメならではというか。若い気持ちでもいられますし。だって、文化祭とかもうしないじゃないですか。キュンキュンをもらえますよね。

◆ちなみに、序盤のキュンキュンポイントはどこですか?

第1話で、花野井くんが、鼻とか手を真っ赤にしながら、ヘアピンを探すところですかね。ほたるちゃんじゃない女の子が、そんなことをされたら、例えば私だったらキュンってなっちゃうんです。でもほたるちゃんは、そこで、自分を大事しなさいよ! って感じで、「バカヤローッッ!」って言ったりするので、その展開もまたこの作品らしくていいなと思いました。

◆では最後に、第1話の見どころを教えてください。

第1話は、ほたるちゃんがどういう女の子なのかがしっかり描かれるので、高校生の楽しい日常というより、彼女がどんなことを考えているのか。結構、間とかも大事に使って、しっかり描いていく演出になっているんです。そこから花野井くんと出会い、徐々に画面がキラキラしていくんですよ。花野井くんがめちゃかっこいいキラキラショットみたいなのが最後のほうに出てくるので、それをぜひ見逃さないでほしいです。「キター!」って言っちゃうくらい、かっこよかったので(笑)。

PROFILE

花澤香菜

花澤香菜
●はなざわ・かな…2月25日生まれ。東京都出身。AB型。近年の主な出演作には、『鬼滅の刃』(甘露寺蜜璃役)、『五等分の花嫁』(中野一花役)、『青の祓魔師』(杜山しえみ役)、『おでかけ子ザメ』(子ザメちゃん役)などがある。

番組情報

『花野井くんと恋の病』
TBS系
2024年4月4日(木)スタート
毎週木曜 午後11時56分〜

【STAFF】
原作:森野 萌(講談社「月刊デザート」連載)
監督:牧野友映
シリーズ構成・脚本:雨宮ひとみ
キャラクターデザイン:佐藤秋子
音楽:yamazo
オープニングテーマ:Sexy Zone「君のせい」
音響監督:大寺文彦
美術監督:中尾陽子
色彩設計:江本七海 持田克実 川上善美
撮影監督:丹羽拓也
編集:新居和弘
アニメーション制作:イーストフィッシュスタジオ

【CAST】
日生ほたる:花澤香菜
花野井くん:小林千晃
浅海 響:久保ユリカ
柴村月葉:坂本真綾
八尾創平:木村良平
倉田圭悟:逢坂良太
里村紗都美:鈴代紗弓
黒江之紘:興津和幸

公式HP:https://hananoikun-pr.com/
公式X:@hananoikun_pr

●photo&text/塚越淳一

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