テラス席、屋上庭園…広島の商業施設で春の大改装 居心地やスポーツ観戦で集客

人工芝などを設けたパセーラのスカイパティオ

 広島都市圏の商業施設で改装が相次いでいる。テナントの刷新だけでなく、テラス席や庭園の整備などハード面のリニューアルが際立つ。各施設は居心地の良さや、大型モニターでスポーツ観戦を楽しむパブリックビューイング(PV)をアピール。買い物にとどまらない来店を促す狙いがある。

 専門店街パセーラ(広島市中区)は3日、6階の屋上庭園スカイパティオの装いを新たにした。約1300平方メートルの庭園に人工芝やビオトープを設けた。エディオンピースウイング広島や広島城を一望できる円形のステージは、4本の柱をなくして開放的にした。200インチの大型モニターを使ったPVや、神楽の実演を企画する。

 運営するNTT都市開発(東京)は、パセーラと隣の旧そごう広島店新館との一体的な改装を2025年度まで段階的に進める。中村高士中国支店長は「広島はスポーツが盛んでイベント好きが多い。たくさんの人に来てもらえればにぎわう」と話す。

 3月下旬、屋外にテラス席を設けたのはイオンモール広島府中(広島県府中町)。隣接するレストラン街やキッチンカーの料理を味わいながら、モニターでスポーツ観戦も楽しめる。阿部憲一ゼネラルマネージャーは「行きたくなる商業施設を目指したい」と意気込む。

 イオンリテール(千葉市)は、イオンスタイル広島府中の衣料品売り場を中四国初の「専門店モデル」に衣替えした。商品をカジュアルやシニアなど用途や年齢別に6ゾーンに分け、買い物しやすくした。専門店街にはファーストリテイリング(山口市)グループの衣料品店プラステが5日に開店。同じフロアにはグループのユニクロ、ジーユーもそろう。

 百貨店のそごう広島店(中区)は屋上を憩いの場として刷新。2日、14年ぶりに通年開放を始めた。イベント開催などを通じた集客も見込む。

 JR広島駅前のエールエールA館(南区)も売り場を大きく変えている。地下2階では100円ショップ「セリア」がリニューアルし、3月末に営業を再開した。10階にあったジュンク堂書店は6日、6階に移転オープンする。

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