幻の駅弁「ひとくちだらけ」首都圏では東京駅のみだった…狙い目は14時頃?

ひとくちだらけ(「つがる総菜」公式サイトより)

X上で、ある駅弁が話題になっている。青森は五所川原の総菜・弁当店「つがる総菜」の「ひとくちだらけ」という弁当だ。この弁当の何が話題を呼んでいるのかといえば、弁当というよりも「完全に酒のアテだ」として、酒好きを中心に注目を浴びているのだ。

「ひとくちだらけ」は、実は数年前から“幻の弁当”として一部の駅弁ファンの間では知られた存在だった。24個に仕切られた弁当箱の中に、「ほたて飯」や「すしこ」「味噌おでん」など津軽地方の郷土料理や名産を中心に24種類の総菜が入っている。一口食べてはお酒をちびりと飲みながら新幹線の旅を楽しんだり、家で晩酌のお供にする人も多いようだ。

そんな「ひとくちだらけ」を、気になりつつも買えなかったXユーザーが、「ずっと気になっていた『ひとくちだらけ』を手に入れた」という喜びの声を投稿すると、わずか2日間で約145万回表示、約6000回リポストされる大バズり。「天才の発想」「良さしかない」「完全に酒のアテ」「一口をたくさん食べるの幸せすぎん?」など、興味を示す向きが続出している。

そこで、Business Journal編集部は、つがる総菜の代表・下川原伸彦氏に話を聞いた。

――以前から人気のあった「ひとくちだらけ」ですが、ここ数日SNS上で話題になっているのはご存じですか。

下川原氏「はい。時々エゴサーチをしているので知っていました」

――「ひとくちだらけ」は、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

下川原氏「この弁当は、5年ほど前に発売し始めました。当時は10種類くらいの弁当をつくっていたのですが、そのころは、あまり利益が出ていませんでした。例えば、10種類の弁当を10個つくるのと、2種類の弁当を50個つくるのでは、同じ100個でも労力やコストがまったく違います。そこで私の父が、『いろいろなものを集めてみたらどうか』と提案し、さまざまな弁当のおかずを集めてみました。当初は50種類くらいのおかずを入れようとしましたが、24個くらいが食べやすいのと、たまたまちょうどいい容器が見つかったので、現在の24種類に落ち着きました」

――特に「酒のアテにちょうどいい」といった反応が多いようですが、そもそもお酒のアテを見込んで開発されているのでしょうか。

下川原氏「特に酒のアテという狙いではなく、“欲張りでわがままな弁当”というコンセプトでつくったのですが、私自身もこの弁当を食べながら新幹線でお酒を3缶くらい飲むので、酒のアテに購入される方が多いのもわかります」

――「ひとくちだらけ」を購入できる場所はどこでしょうか。

下川原氏「首都圏では東京駅だけです。ほかにはJR新青森駅、弘前駅と、青森県内の提携店となります」

――東京駅では夕方から店頭に並ぶとの情報がありますが、それも酒のアテといわれる要因でしょうか。

下川原氏「情報が錯綜しているようですが、東京駅で販売されるのは夕方からではありません。当初は16~17時くらいに東京駅に搬入していたのですが、3年ほど前から13時過ぎに東京駅まで届けております。店頭に並ぶのは14~15時くらいだと思います」

――1時間くらいで売り切れるといった声もあり、なかなか入手できないようですが、何個くらい納品されているのでしょうか。

下川原氏「平日は100個前後で、週末は1.5倍から2倍くらい納品しています」

多くの量は食べられないが種類を多く食べたい、という欲求を持っている方は、決して少なくないだろう。そんな方々の願いを満たし、さらには酒好きの方々にとっても最高のアテとなり得る「ひとくちだらけ」。新幹線に乗らない場合でも駅弁を買いに行く価値はありそうだ。

(文=Business Journal編集部)

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