BE:FIRST RYOKI、syudouとの「共闘」で爆発力あるタッグ SHUNTO、RYUHEIも外部コラボで武器を磨く

シンガーソングライター・ボカロPのsyudouとBE:FIRST・RYOKIがコラボした楽曲「共闘 feat. RYOKI from BE:FIRST」が、4月2日に配信リリースされた。同曲は、2024年TBS系列野球中継テーマソングで、3月末の試合放送からすでに使用されており、試合を盛り上げている。アップテンポに合わさった力強いラップと、2人の歌声がメルトしたユニゾンとハーモニーが熱い気持ちを呼び起こし、背中を押してくれる“バイブスが高い”応援ソングだ。

一聴してわかるように、syudouとRYOKIの声の相性はすこぶる良い。ボーカルのタイプとして、2人には“爆発力”という共通点がある。そして爆発力がある2人がタッグを組んだからこそ、楽曲の熱量がここまで高まっているのではないだろうか。それと同時に、2人ともラッパーとしての存在感を示すことにも繋がっていると言えそうだ。

また、遊び心もたくさん詰まっているのも特徴の一つ。例えば、イントロ部分では2人の名前をそれぞれ言い、「Nice too meet to you」とコラボレーションを喜んでいるような言葉が入っている。歌詞に注目してみると、syudouがAdoに提供した楽曲「うっせぇわ」のタイトルや、BE:FIRSTの楽曲「Mainstream」に出てくる〈争う気〉、〈trend〉というワードが引用されていることもわかる。さらにsyudouが〈争う気〉、〈trend〉、RYOKIが〈うっせーわ〉と歌っているのも聴いていて楽しい。お互いの楽曲の歌詞を上手くサンプリングしているのは、HIPHOP文化に沿ったお楽しみといったところだろう。

そして、RYOKIが同曲の良さを引き出しているのもまた事実だ。syudouの楽曲を振り返ってみると、これまでダークな世界観の楽曲が多かった印象。しかし、今回「今まで自分が作ったことのない新たな曲に挑戦したい」とインタビューで語っている。その言葉通り、syudouが作った楽曲自体の変化ももちろんなのだが、圧倒的“陽キャ”のRYOKIが加わることで、「スポーツの試合における勝つか負けるかのギリギリの緊張感や熱量を表現しようと思い作った楽曲」という言葉がよりはっきりと形になったのではないだろうか。そしてRYOKIがBE:FIRSTでも見せる“らしい”武器を使いつつ、グループでのパフォーマンスよりもさらに個性を強く発揮しているようにも見える。

このコラボ以外にも、BE:FIRSTメンバーはこれまでも様々なアーティストと共演してきた。例えば、SHUNTOとUVERworldがコラボした「ENCORE AGAIN (feat.SHUNTO from BE:FIRST)」。SHUNTOのエッジボイスがUVERworldの世界観にぴったりハマっており、ロックナンバーとの相性の良さを提示してくれた。TAKUYA∞との声のコントラストもバッチリで、楽曲の輪郭を色濃くし、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で披露された際には大きな話題となっていた。

RYUHEIは蔦谷好位置によるソロプロジェクト・KERENMIで女王蜂・アヴちゃんとコラボをした「アダルト feat. アヴちゃん from 女王蜂 & RYUHEI from BE:FIRST」を発表。BE:FIRSTでは、どちらかといえばきれいめに歌うRYUHEIだが、「アダルト」ではエモーショナルな歌でさらなる可能性を示した。そして、その歌い方がアヴちゃんの歌とも上手くフィットし、楽曲が持つ中毒性のある世界観を見事に表現したのである。

様々なアーティストとコラボをすることで、それぞれの個性を世の中により発信してきたBE:FIRSTメンバー。これからもアーティストとのコラボレーションで、彼らが新たな一面と可能性を見せてくれることに期待したい。

(文=高橋梓)

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