散水用ポンプ金属バルブ、桑折モモ畑で連続盗難 ピーチライン周辺

バルブ部分が切断された部品=桑折町

 桑折町の複数のモモ畑で散水用の手押しポンプに取り付けられているバルブなどの金属類が盗まれたことが5日、福島北署桑折分庁舎などへの取材で分かった。同日現在で3件の被害届が出されており、同分庁舎が窃盗事件として捜査を進めている。

 同分庁舎によると、現場はモモ畑が密集する阿武隈川沿いの名所「桑折ピーチライン」周辺とみられる。3月下旬から、地元農家から被害届が出されている。

 被害に遭った大泉農園によると、所有していた水道器具のバルブは井戸水を給水する時の元栓で、モモの花が咲いた後、果実を大きく成長させるための灌水(かんすい)で欠かせないものだという。同農園代表の大泉忠志さん(50)は「盗まれて悲しい。水が欲しい時に使えないと困る」と肩を落とした。

 大泉さんは3月中旬に、モモの花の剪定(せんてい)作業で畑に立ち寄った際、畑に設置された二つの水道器具からバルブ部分が刃物のようなもので切断されているのを発見した。大泉さんは「バルブ内にある黄銅を取り除いて、鉄くずで販売しているのでは」と話した。

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