アニメも2周年!見た目からしてヤバイ…『ちいかわ』の読者を戦慄させた「恐怖キャラ」たち

画像は『ちいかわ』公式サイトより

フジテレビ系の情報番組『めざましテレビ』内にて、2022年4月4日から毎週金曜日にアニメ放送されている『ちいかわ』がアニメ放送2周年を迎えた。

同作は「自分ツッコミくま」などで知られるイラストレーター・ナガノさんのSNSから生まれた、小さくてかわいい生き物たちの日常を描いた漫画作品が原作。正式名称は『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』だ。

見た目のかわいらしさから、大人や若い女性だけでなく男性ファンや小さな子どものファンも多い『ちいかわ』だが、漫画の内容にはしばしばどこか不穏な空気が漂っている。しかし、謎めいた世界観の具体的な説明はないため、ファンの間では深い考察が日々飛び交っている。

特に最近では、メインキャラクターのひとりであるハチワレが、パラレルワールド編と呼ばれているエピソードの中で獰猛な姿に豹変してしまったことがXなどで大きな話題となった。

これは、対象者の脳にいつもの世界とは違う「パラレルワールド」を植え付けて、その世界が育ったところを脳ごと吸いに来る虫の影響によるもの。巨大なモンスターのような姿に変化したハチワレは、ファンの間で「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」ならぬ、「でかつよ(なんかでかくて強いやつ)」と呼ばれた。

ハチワレはこの出来事の原因である虫を潰した際に、「潰したッッ!! 強いよこの身体ッ 簡単ッッッ!! 簡単ッッ!!!」と大声で叫ぶ。パラレルワールドとはいえ、友だちのちいかわにさすまたの矛先を向けられ「ヤダーッ」と拒絶されると、「言わないでしょそんな事ッ 言わないよねェッ」とちいかわを恫喝。かわいい絵柄とは反対に、まるで地獄のような展開の連続だった。

■「あはっ あはっ こんなになっちゃった…」

無事目が覚めて元の姿に戻ったハチワレだったが、このほかにも『ちいかわ』の世界の中には、見た目からして怖いキャラクターが多く登場する。今回はかわいらしい世界に見合わない『ちいかわ』の「恐怖キャラ」を紹介したい。

まずは、物語のかなり早い段階に登場した「キメラ」。ピンク色の体で虫のような羽や紫色の太いしっぽが生えている生き物で、ちいかわの前に「あはっ あはっ こんなになっちゃった…」と笑顔で涙を流しながら登場した直後、「なっちゃったからには もう…ネ…」と両手から鋭い爪を生やして突然襲いかかろうとした。

彼の正体がなんなのか、いまだに詳しい説明はされていないが、ちいかわたちに姿の似たいわゆる「ちいかわ族」がなんらかの原因で「キメラ」になってしまうということが随所で示唆されている。そのため、彼も元はちいかわたちのように小さくてかわいい存在だったのではないだろうかとファンの間で考察が進み、多くの読者を戦慄させた。まだ『ちいかわ』のダークさを知らなかった当時の読者にとっては衝撃的な展開だった。

同じく、もともとはちいかわ族だったと思われる「あのこ」も恐ろしい。その見た目はかなり大きくて白くモフモフしており、一見するとかわいらしい。しかし鋭い爪や恐竜のようなしっぽからはやはり「あのこ」が恐ろしいモンスターなのだと思わされる。

明言こそされていないが、ちいかわとかつて親しくしていた「あのこ」という同じ名前のちいかわ族の子が元の姿だと思われ、討伐の際はちいかわの姿を目視して見逃すシーンもあった。

しかし「あのこ」は回を追うごとに、自身の大きな体を使ってモブキャラクターを襲うことに抵抗がなくなっており、自分の力に酔いしれてる様子や自分の意思でモブキャラクターたちに危害を加えるような姿が見てとれる。変貌の過程を感じられるからこそ悲しい気持ちになってしまう。

■毎回考察が止まらなかった「山姥」

さて、このほかにもちいかわの世界には様々なモンスターが登場する。2022年9月18日投稿回から始まった「山姥(やまんば)編」では、敵か味方かわからず毎回ファンの間で考察を呼んだ「山姥」が登場する。

マロングラッセの森で罠にかかったちいかわたちを助け、料理やお菓子で手厚くもてなした山姥だったが、夜に包丁を研いだり(実際は本枯節を削っていたのだが……)と、その姿にはまるで“昔話”のような怖さがあった。

ずっとちいかわたちの笑顔を見て優しそうな顔をしていた山姥は、翌日の朝にはついに正体を現すかのように呪文を唱え、ちいかわたちに攻撃のようなことをしようとしてきた。結局はうさぎが味噌汁に入れた毒キノコで眠ってしまったので事なきを得たが、最後まで油断できないのが「ナガノワールド」の魅力なのだろう。

“昔話”の山姥のように、同じく往年の物語を想像させるのは「三ツ星レストラン編」に登場した「コック」。

レストランに入ったちいかわとハチワレは、宮沢賢治さんの小説『注文の多い料理店』さながら、料理の注文の前にお風呂に入らされたり、おまじないとして塩こしょうを振られたり、食事用の準備を施されてしまう。

最後は店主とみられる緑色の巨人にトルティーヤ巻きにして食べられそうになってしまった。このコックはかなり巨大で、最後まで漫画の中では大きな手足しか登場しなかったが、そこがまた恐ろしさを増幅させた。

度重なるピンチの中でも結局はなんとかなり、毎日を楽しく暮らすちいかわたち。単にかわいい物語だと思っていたら痛い目を見るかも?

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