生成AIアニメで時短 撮影した動画をまるごと変換 社員6人、人手不足解消のカギ

今、世界中の注目を集めている生成AI。人手不足の解消につなげようと、名古屋の会社が革新的な挑戦を始めています。

「ウルフィ、きょうは日差しが暑いくらいだねぇ」 このアニメ、竹田基起アナウンサーをモデルにAIで生成したものです。 すさまじいスピードで進化している生成AI。 4月2日、チャットGPTを手掛けるアメリカのオープンAIが、日本事務所の開設を発表するなど、普及に向けた動きが加速しています。 そんな中、名古屋にも生成AIを活用している会社がありました。 天白区にある「K&Kデザイン」。アニメーション制作などを行う、従業員6人の小規模な会社です。 Q.こちらで導入している生成AIはどんなことができる?(竹田アナ) 「スマホやビデオカメラで撮影した動画をまるごとアニメーションに変換できる」(K&Kデザイン 川上博 取締役)

必要事項を選択したら、あとは待つだけ

どのように生成AIでアニメーションを作るのか。実際に見せてもらいました。 まずはアニメにしたいシーンをスマホで撮影。そして動画ファイルを生成AIに取り込みます。 「『プロンプト』という項目があるので、ここに情報を入れていきます。『男の人を1人お願いします』ということで『1boy』という指示を入れています。女の人を生成するなら『1girl』と入力する」(K&Kデザイン 岩瀬悠さん) さらにアニメのテイストや動画の長さなど、必要事項を選択したら、あとは待つだけです。

「少人数でもアニメを作る体制を整えられないかと生成AIを導入」

Q.生成AIを導入しようと思ったきっかけは?(竹田アナ) 「1クール12話の30分アニメを作るのに、200~300人のスタッフが必要になる。少人数でもアニメーションを作る体制を整えられないかと生成AIを導入した」(川上取締役) 今、国内にあるアニメ制作会社811社のうち約9割が東京の会社。 アニメーターが少ない名古屋で自社作品を作るために、生成AIの導入は避けられないと川上さんは話します。 通常のアニメでは、人物や背景、それらの動きを人の手で書き、組み合わせることで作品が完成。多くの工程を複数のスタッフで進めるため時間がかかります。 しかし、生成AIを使うとすべての工程をたった一人で行うことができるのです。

学習を繰り返して進化する生成AI

また、学習を繰り返し、日を追うごとに進化するのも生成AIの特徴。 これまでは、撮影した映像のキャラクターと背景、両方をアニメに変換していたのですが、現在は、キャラクターだけを抽出することが可能になり、背景と合成する作業がよりスムーズに。 こうした処理ができるようになったのは、数日前のことだといいます。 Q.10秒程度の動画をアニメにするとして、AIではなく手書きだとどれくらい時間がかかる?(竹田アナ) 「たぶん2週間ぐらいはかかる。早くても1週間ぐらい」(川上取締役) Q.それが数分から数十分にぎゅっと縮小される?(竹田アナ) 「生成されたアニメをそのまま使えるかというと、手書きとはまったく別物と捉えていて、ただ動画を変換しただけのアニメではテレビアニメやCMには使えない。やっぱり崩れてしまうAIが誤認識してしまう部分が多々あるので、映像が崩れているところや僕らが欲しい動きだったりを人間が上から書き足す作業が必要でそのまま使うのはまだ無理かなと」(川上取締役) (4月5日 6:00~放送 メ~テレ『ドデスカ!』より)

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