竹細工作品 佐賀県立博物館に寄贈 西川登の職人栗山さん 父の思い出の品9点

竹細工を寄贈し、県立博物館・美術館の福井尚寿館長(左)から感謝状を贈られた栗山直幸さん=佐賀市の同博物館

 佐賀県が指定する伝統的地場産品「西川登竹細工」の職人・栗山直幸さん(64)=武雄市=がこのほど、亡き父時雄さんの竹細工9点を佐賀市の県立博物館に寄贈し、県から感謝状が贈られた。

 寄贈したのは、基本の編み方の底部分。幾何学的、規則的な文様はアートのような美しさがある。西川登竹細工は後継者不足で存続の危機にあり、感謝状を受け取った栗山さんは「昔は生活に密着していた竹細工。身近に感じてもらいたい」と話した。

 最盛期は500人以上の職人がいたが、現在は栗山さんら数えるほど。中学生の頃から父を手伝っていた栗山さんは「真っすぐで質のいい竹がある谷から運び出すのは大変。でも、伝統が途絶えてしまうといけない」と時雄さんの技を継承していく思いを語った。(福本真理)

 

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