【日本屈指のNCロードスターのカスタムビルダーが手がけた注目モデルセレクション①】ノーマル並みに快適なストリートカスタム仕様

2024年1月に発売されたマツダ ロードスターの専門誌「ロードスターブロス Vol.25」で紹介した2台のカスタムNCロードスターを紹介する。これを製作したのは、神奈川県葉山に店舗を構える「ノガミプロジェクト」で、もやはNC乗りなら知らない人はいないくらいの有名ショップだ。まずは公道での扱いやすさを重視したストリート仕様のNCから紹介する。ハンドルを握るのは、NCロードスターのオーナーでもある、GTドライバーの眞田拓海選手だ。

快適性と扱いやすさを両立した派手さを抑えた、ほどよいカスタムが魅力

派手さを抑えたGTスペックのNSフロントバンパーとサイドステップ、リアスポイラーを装着。地上高に神経質になる必要がないので安心して走行できる。

近年、数多くのNCロードスターのカスタム車を手がけ、まさにNCのスペシャリストとして名を馳せているノガミプロジェクト。その理由を野上社長に聞いてみると「NAやNBと比べると、NCは現存個体数が非常に多いです。その中でもとくに電動ルーフのRHTは程度の良い車体を見つけやすく、パーツも豊富にあるのでカスタムのベース車両として最適なモデルです」と語っていた。

そして今回ノガミプロジェクトが製作した2台のカスタムNCのハンドルを握るのは、GTドライバーの眞田拓海選手だ。実は眞田くんもロードスターの大ファンで、以前はNBを所有し、今はNCに乗っているほどロードスターの虜になっている。試乗前に意気込みを聞いてみると「自分もNCに乗っているので、どんなクルマに仕上がっているのかワクワクしています」と目をキラキラさせていた。

ノガミプロジェクトのチューニングメニューは、お客さんの予算や走り方に合わせて、松竹梅という3コースが用意されている。

純正サスペンションよりもよく動くKW製の車高調を装着

KW製車高調のバージョン3 2wayを装着。程よく車高が落とされ、これまたノーマル然としている。アンジュレーションをうまくいなしてくれ乗り心地も良い。自分の思ったとおりにクルマが走ってくれるのでドライビングの勉強にもなる。

最初に試乗した電動ルーフのRHTには梅メニューのチューニングが施されていた。エアロパーツはノーマル然とした落ち着いたデザインで、サスペンションはKW製のバージョン3 2wayの車高調が装着されている。このサスペンションは車高調ながら純正サスペンションよりも良く動くおかげで、程よいロール性を感じながら軽快な回頭性を発揮してくれる素晴らしい特性を持っている。

高速道路のアンジュレーションも素直に吸収してくれるので、常に快適な走行が可能だ。デフが入っていることもあり、コーナリング中にアクセルを踏み込んでも前へ前へと進んでくれるのが頼もしい。

梅メニューはエントリー向けのライトチューンでエンジン本体はノーマル。ECUをノプロのオリジナルに変更していることで、7500回転まできっちり回しながら走ることができる。高速巡航中でもトルクフルで走りやすい。

気になるエンジンチューンだが、エンジン本体はノーマルでこれにオリジナルECUとマキシムワークス製エキマニを組み合わせている。しかし、マフラーは純正のままと意外な組み合わせだ。控えめなチューニングながら街乗りから高速道路まで、驚くほどトルクフルな走りが体感できる。

RHTらしく遮音性も高く、エキゾーストノートも気にならないので日常での使い勝手は申し分ない。ジェントルなカスタム内容を好む人には、最適な梅コースと言える。

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