「賃上げ進めば年収の壁は是正必要」河野太郎氏、制度見直しに言及 「年末に向け対応考える」とも

食品宅配サービスの物流施設で、生鮮食材の箱詰め作業を体験する河野太郎デジタル相=6日、海老名市

 河野太郎デジタル相(衆院15区)は6日、視察先の海老名市内で記者団に、被扶養者のパート従業員らが働く時間を抑える一因とされる「年収の壁」問題の解消に向け、制度を見直す必要性に言及した。「最低賃金の引き上げや平均の賃上げが進めば、その分、自動的に年収の壁が是正される必要がある」と述べた。

 年収の壁を超えると手取りの収入が減るため、年末になると働く時間を抑える人が増えることから人手不足に悩む企業が対応を求めていた。河野氏は「今年の年末に向けて対応を考えていく」と強調し、女性登用の拡大や少子化をにらんだ働き手の確保に向け「最終的には抜本的な社会保障の在り方を変えていく必要がある」との見解も示した。

 河野氏は、食品宅配大手「オイシックス・ラ・大地」のフードロス削減を目的とした加工施設や、自動化を進める物流施設などを視察した。食材の箱詰め作業を体験した河野氏は「女性はパートの比率が高いと男女の賃金格差の是正がなかなか進まない。デジタル化や機械化できるところは進めて、人間はより生産性の高いところへ移っていけるようにすることは大事だ」と述べた。視察には牧島かれん前デジタル相(17区)も同行した。

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