「お時間大丈夫でしょうか」はNG?【ビジネスマナー】できる人が実践する会話術

「今、お時間大丈夫でしょうか」は正しい声かけなのか?

【元社長秘書のマナー講座】vol. 31


ビジネスシーンで、相手の都合を尋ねる際によく使われる「お時間大丈夫でしょうか」というフレーズ。相手が忙しいかどうか、または現在話しても良いかどうかを確認するとき使い、耳にしたことがあるかたも多いかと思います。しかし、実際に社内で使用する際に「お時間大丈夫でしょうか」は正しい声かけのフレーズなのでしょうか?

今回は、「今、お時間大丈夫でしょうか」は社内で使用する際に正しい声かけなのかを解説します。使う際の注意点、ビジネスメールでの使用例を紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。


「お時間大丈夫でしょうか」の意味と注意点

「お時間大丈夫でしょうか」とは

時間があるか相手に尋ねることを意味します。相手が忙しい場合や話をするのに適切なタイミングでないかもしれないという状況を配慮している言葉です。

目上の人に使うのは控えよう

相手との関係にもよりますが、より正しい敬語表現を用いるのであれば「今お時間よろしいでしょうか」を使用しましょう。「大丈夫ですか?」は言葉の響きとしてフランクな印象を与えやすく、親しい友人や立場が同等な人などに対して使用します。人によっては上から目線と捉えられてしまう可能性があるため、ビジネスシーンなどで目上の人に対して使う場合には、丁寧な表現である「お時間よろしいでしょうか」「お時間いかがでしょうか」などを使うのがよいです。

注意点

この表現は、相手の都合が不透明な際に使用しますが、相手が明らかに忙しい時や緊急の作業をしている場合は、適切なタイミングを見計らうことが大切です。使用する際の注意点は、相手の反応を尊重し「お忙しいところ恐れ入ります」などとクッション言葉と合わせて使うとよいでしょう。今は忙しいと言われた場合は、後で話すことを提案するなど、柔軟に対応することを心がけましょう。

声かけのポイント

仕事の依頼は、相手の立場や状況を考えて行うことが大切です。仕事をお願いするときに重要なポイントを5つご紹介しますので、覚えておきましょう。

1. タイミングに注意をする
2. 要件を明確に伝える
3. 謙虚な姿勢を忘れない


「お時間よろしいでしょうか」と「お時間大丈夫でしょうか」の使い方と例文

「お時間よろしいでしょうか」の使用例

「お時間よろしいでしょうか」という表現は、相手に敬意を示し、コミュニケーションを始める際に相手の都合を尊重するために使用します。対話を円滑に進める上で重要な表現なのでぜひ活用していきましょう。

例文
1. ご相談したいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか。
2. 急にご連絡して申し訳ございません。今お時間よろしいでしょうか。
3. 今後の方針についてご相談したいことがあるのですが、10分ほどお時間よろしいでしょうか。

「お時間大丈夫でしょうか」の使用例

「お時間大丈夫でしょうか」は親しい間柄で使うのが一般的な言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使えるのが「お時間よろしいでしょうか」、目上の人に対して使えないのが「お時間大丈夫でしょうか」と覚えておきましょう。

例文
1. 相談に乗って欲しいことがあるのですが、お時間大丈夫でしょうか。
2. ひとつ聞きたいことがあるのですが、5分ほどお時間大丈夫でしょうか。
3. 営業会議の前に会議の詳しいお話を聞きたいのですが、お時間少し大丈夫でしょうか。


おわりに

「お時間大丈夫でしょうか」は目上の人に対しては控えた方がよい言葉ということがわかりましたね。時間は有限であり、常に他人の時間をいただいているという意識をもち相手の立場に立った言葉をかけましょう。相手が忙しそうな場合には声かけを控えたり、タイミングを見計らうなど、相手を思い遣った行動を心がけることが大切です。


<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。

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