新型コロナ関連業務で沖縄県に過大請求 2023年度 東京の企業が960万円

 沖縄県は5日、2023年度の新型コロナウイルスのコールセンター業務で、委託業者が約960万円の過大請求をしていたと発表した。既に返還請求しており、外部の専門家を交えて過年度分も調査する考えだ。同日、県庁で会見した糸数公保健医療介護部長は「関係部局と連携し、厳正に対応していく」と述べた。

 過大請求を確認したのは、県が23年4~5月に日本トータルテレマーケティング(本社・東京)に委託したコロナの発熱コールセンターとワクチン専門相談コールセンターの両業務。同社がコロナ関連業務で京都市に過大請求していたことが判明し、厚労省が注意喚起していた。

 県は昨年11月以降、同社沖縄センターへ抜き打ち調査を実施。同社のシフト表と県への提出資料を確認したところ、勤務時間の水増しや1人のオペレーターで両方の業務に重複請求した事例を確認した。1カ月に一度も電話に応答していないオペレーターもいたという。委託料約3350万円は既に支払っている。

 県はコロナ感染者が県内で初確認された20年2月、随意契約で同社に業務を委託した。22年度までの過年度分の委託料は約6億8千万円。同社は勤務時間の水増し理由を「感染拡大時に県の増員要求に応えられなかったため」と説明した。

 同社の担当者は本紙の取材に「県や県民の皆さまに申し訳なく思う。社内で信頼回復推進室を立ち上げて調査しており、誠実に対応する」と述べた。(社会部・下里潤)

(資料写真)沖縄県庁

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