「大学等の学費を無償化してほしい」8割強 一方「所得制限のない授業料無償化は不適切」の声も

高校生以下・浪人生の親の8割強が「大学等の学費を無償化してほしい」と回答 ※画像はイメージです(illustAC)

保護者のみなさんは、「大学等の学費」についてどのような考えを持っているのでしょうか。ソニー生命保険株式会社(東京都千代田区)が、このほど実施した「子どもの教育資金に関する調査2024」によると、高校生以下・浪人生の親の8割強が「大学等の学費を無償化してほしい」と回答しました。他方で、4割強の親が「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化は税金の使い道として不適切」と回答し、北陸・甲信越では半数以上に上ったそうです。

調査は、大学生以下の子どもがいる全国の20歳以上の男女1000人を対象として、2024年1月にインターネットで実施されました。

「大学等の学費は高すぎる」高校生以下・浪人生の親の8割強(提供画像)

まず、高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(752人)に、「大学等の学費(入学金・授業料)や奨学金に関する意識」について聞いたところ、「大学等の学費は高すぎると思う(計)」は82.8%、「大学等の学費を無償化してほしい(計)」は83.5%となりました。

また、「奨学金」については、「給付型奨学金(返済不要)をもっと利用しやすくしてほしい(計)」は83.0%、「貸与型奨学金(無利子で借りる)をもっと利用しやすくしてほしい(計)」は79.7%となり、子どもが貸与型奨学金を利用した場合、返済時に支援したいと思う親は79.7%でした。

2024年10月から行われる児童手当の拡充に対する期待度(提供画像)

次に、全回答者に、2024年10月から行われる「児童手当の拡充への期待度」を聞いたところ、「児童手当の所得制限撤廃(現在設定されている所得制限が撤廃)」では、「期待したい(計)」は63.5%、一方、「期待したいと思わない(計)」は36.5%となりました。

また、「児童手当の高校生年代までの延長(中学生までだった支給対象が18歳までに)」では、「期待したい(計)」は76.5%となり、これを高校生の親(123人)にしぼってみると、「期待したい(計)」は88.6%と、全体と比べて12.1pt高くなりました。

「多子世帯の大学無償化に期待したい」子どもが3人以上いる親の8割半(提供画像)

さらに、「児童手当の多子加算(第3子以降の手当が大幅に増額され月額3万円に)」では、「期待したい(計)」は53.9%、「多子世帯の大学無償化(3人以上の子どもを扶養する世帯では大学の入学金・授業料が減免され実質無償化)」では、「期待したい(計)」は56.7%となり、いずれも子どもが3人以上いる親(101人)では8割前後と20pt以上高くなっていました。

「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化を全国一律の制度として実施すべき」は親の8割が同意(提供画像)

最後に、「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化」について、どのくらい同意できるか聞いたところ、「育児支援策として有効だと思う (計)」は74.8%、「全国一律の制度として実施すべきだと思う(計)」では79.6%となりました。

これを高校生の親(123人)に絞ってみると、「育児支援策として有効だと思う(計)」は81.3%、「全国一律の制度として実施すべきだと思う(計)」では85.4%と、全体と比べて5pt以上高くなりました。

「所得制限のない私立を含む高校の授業料無償化は税金の使い道として不適切」は親の4割半が同意、北陸・甲信越では5割半(提供画像)

一方、「税金の使い道として不適切だと思う(計)」は45.9%で、エリア別では「北陸・甲信越」(54.0%)が最も高くなりました。反対に、「育児支援策として有効だと思う(計)」が最も高くなったのは九州・沖縄(85.1%)、「全国一律の制度として実施すべきだと思う(計)」が最も高くなったのはこちらも九州・沖縄(85.1%)でした。

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