いわきFC粘り強く、横浜FCとドロー PKで同点、サッカーJ2

【横浜―いわき】後半24分、シュートを放ついわきのMF加瀬(左)。2ゴールに絡む活躍を見せた =ニッパツ三ツ沢球技場

 サッカーJ2第9節-。いわきFCは7日、アウェーのニッパツ三ツ沢球技場(横浜市)で横浜FCと対戦し、2―2で引き分けた。通算成績は3勝4分け2敗で、20チーム中10位に順位を二つ下げた。

 いわきは次戦の13日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で首位の清水エスパルスと対戦する。午後4時開始予定。
 
▽ニッパツ 5,409人
横浜C(勝ち点15) 2―2  いわき(13)
        (1―1 1―1)
前16分〈い〉大迫、前17分〈横〉伊藤、後4分〈横〉三田、後8分〈い〉照山

 
 【評】いわきが粘り強い守りで引き分けに持ち込んだ。前半16分に先制したが、すぐさま同点ゴールを奪われると防戦一方の展開に。ボールを前線に運ぶことができず、前半のシュート数は2本にとどまった。後半は一度は勝ち越しを許したが、両翼を生かして得点機を増やし、PKで同点に追い付いた。試合を通して自陣に押し込まれる時間が長く、連係で相手の攻撃に耐えた。(佐藤智哉)

 MF加瀬の突破、同点PK誘発

 上位浮上に向けた課題と収穫が見えた90分だった。いわきは昨季J1を戦った横浜FCから敵地で貴重な「勝ち点1」を奪取。ただ、試合巧者ぶりを発揮され、思うように好機をつくり出せなかったのも事実だ。田村雄三監督は「東の横綱に対して自分たちのサッカーはできたと思うが、上を目指したいからこそ勝ち点2を逃した試合とも言える」と総括した。

 シュート数は相手の15本に対して、いわきは5本。数字に表れたように我慢の時間が長かった。特に前半は先制のFKを除けば、40分過ぎのFW谷村海那のシュート1本のみに押さえ込まれた。90分を通じてCKの獲得はゼロ。ショートカウンターやセットプレーから決定機につなげた相手とは対照的に、ゴール前へのクロスやシュートで終わるシーンは少なく、攻撃の組み立てに課題が残った。

 一方で、この日の得点に直結したのがMF加瀬直輝の突破だ。先制点となる前半16分のFKは、相手の裏を突いたドリブルから生まれ、後半8分に得たPKも果敢にペナルティーエリアに進入した加瀬の動きがファウルを誘った。

 「相手のDFラインを理解して、嫌がる位置に仕掛けることができた」と加瀬。5バックで守りの堅い相手に対して勇気を持ってゴール前に仕掛ける有効性を体現した姿は、攻撃の形を増やしたいチームにとって好材料となった。

 次節は昨季2敗した難敵清水をホームに迎える。加瀬が「去年との違いを見せたい」と語ったように、今季負けなしのホームで意地を示したい。(佐藤智哉)

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