豆乳のたんぱく質とコレステロール

豆乳に含まれる大豆たんぱく

3大栄養素のうちのひとつであるたんぱく質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に重要なものです。また、アミノ酸の組み合わせや種類、量などの違いによって形状や働きが異なり、酵素やホルモン、免疫物質としてさまざまな機能を担っています。たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンなどの9種類は、体内で必要量を合成できないため、食事から摂取する必要があり、「必須アミノ酸」と呼ばれています。体内で合成できる非必須アミノ酸は、グリシン、アラニン、グルタミン酸などの11種類です。

たんぱく質は肉、魚、豆類、穀類などさまざまな食品に含まれていますが、摂取量の他にもう一つ重要なのは、摂取するたんぱく質の質です。この、たんぱく質の栄養価を示す基準として用いられるのが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアの値は0〜100まであり、100に近いほど良質なたんぱく質とされています。肉や魚、卵、牛乳などの動物性たんぱく質や畑のお肉といわれる大豆は100点です。豆乳に含まれる大豆たんぱく質は良質で吸収もよく、体を構成する要素としてとても優秀です。

コレステロールとは 

コレステロールは体内にある脂質の一種で、健康にとって悪いものと捉えられがちですが、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料として体内で重要な働きを果たしています。

コレステロールは、大きく「LDLコレステロール」と「HDLコレステロール」に分けられます。LDLコレステロールは、肝臓でつくられたコレステロールを全身へ運ぶ働きがありますが、増えすぎると血管内皮への炎症などを引き起こします。そのため、一般的に悪玉コレステロールと呼ばれています。HDLコレステロールは、体内の過剰なコレステロールや、血管の壁に溜まったコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きがあり、善玉コレステロールと呼ばれています。

コレステロール値が基準値より高いと、病気のリスクとなる可能性があります。特に、LDLコレステロールが増えると、血管壁に付着しやすくなり、これが動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。一方で、HDLコレステロールは、動脈硬化の進行を防ぐとされています。従って、LDLコレステロールは低い方が良く、HDLコレステロールは高い方が良いということになります。コレステロール値が高くなっても自覚症状ないため、定期的な健診で把握しておく必要があります。

コレステロール値を下げるには

コレステロール値を下げるには、生活習慣の見直しが基本で、なかでも食生活を改めることが欠かせません。まずは摂取カロリーを適切に制限することを心掛け、飽和脂肪酸が多く含まれている肉の脂身やバター、生クリーム、インスタントラーメンなどの加工食品摂取を控えましょう。血液中のコレステロールには、「肝臓でつくられるもの」と「小腸で食事から吸収されるもの」があり、コレステロールの多い食品を食べ過ぎると、小腸からの吸収が増え、コレステロール値が上昇します。コレステロール値の改善には、コレステロールを多く含んでいる卵や魚卵、レバーなどの食品の摂取を控えることも重要です。

大豆には、LDLコレステロールを下げる効果があり、日々の食事に取り入れることでLDLコレステロール値の改善を目指せます。食事を通して体内に入ったコレステロールは、十二指腸で胆汁酸と結びつき、小腸から吸収されます。小腸から吸収された胆汁酸は、肝臓に運ばれ、消化吸収された胆汁酸の大部分は、胆のうをへて再び十二指腸へ流れるというループを経て血中コレステロール値を上げていきます。食事で脂肪と大豆たんぱく質を一緒に摂った場合、十二指腸で分泌された胆汁酸は、中性脂肪やコレステロールではなく、水にも油にもなじみやすい性質をもつ大豆たんぱく質の方に結びつきます。大豆たんぱく質と結びついた胆汁酸は小腸で吸収されずに、そのまま体外に排出され、吸収されなかったコレステロールも小腸で再吸収されることはなく、体外に排出されます。この結果、血中に流れるLDLコレステロールの量が低減することになります。ほかにも大豆レシチンや食物繊維が含まれていることもコレステロールを下げるにあたってプラスに働いています。

豆乳を毎日飲もう

豆乳には血行促進作用があるビタミンE、LDLコレステロールを減少させるレシチンやサポニン、過剰なメラニンの生成を抑えるイソフラボンなど、さまざまな栄養素が含まれています。豆乳は植物性のたんぱく質で動物性のたんぱく質と比べてカロリーが低いうえ、吸収スピードが遅いため腹持ちがよく、ダイエット中のたんぱく質の補給にはとても適しています。たんぱく質が豊富で健康や美容にうれしい成分を手軽に補える豆乳を毎日飲んで、健康維持に役立てましょう。

(2024年3月29日豆乳あるあるマップ掲載記事より)

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