道の駅に「水田」計画撤回 山口市、「あいお」移転新築 「地域にたくさんある」と異論続出受け

新たな道の駅あいおの建設予定地

 道の駅あいお(山口市秋穂東)の移転新築計画を巡り、市は、当初の設計イメージに盛り込まれた水田広場を設けない方針を決めた。地元の異論を踏まえて判断した。さらに住民の意見を聞き、秋にも基本設計案をまとめる。2026年度を予定していた新たな道の駅の開業時期は、27年度以降にずれ込む見通し。

 移転新築の基本設計は、おりづるタワー(広島市中区)などを手がけた三分一博志建築設計事務所(同)が請け負っている。同事務所の設計イメージは、特産品販売やトイレなどの施設の周囲に水田広場を配置する内容だった。しかし、昨年10月に住民の代表へ示した際に、「田んぼは地域にたくさんあり、維持管理に費用も手間もかかる」などと異論が続出していた。

 市と同事務所は今後、住民代表たちと意見を交わす会合を数回開いて基本設計案をまとめる方針。4日夜には秋穂総合支所で報道機関に非公開で会合を開いた。出席者によると「地元特産のクルマエビにちなむ催しができたらいい」「サイクリストが楽しめるようにしたらどうか」などの意見が出たという。

 計画によると、新たな道の駅は現在地の東約400メートルにある市有地1・2ヘクタールに整備する。市は23年度に基本設計の請負業者を公募型プロポーザルで募集。複数業者の案を審査し、水田広場などのイメージを提出した同事務所に決まった。

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