米ボーイング機、離陸中にエンジンカバーが落下 当局が調査

米コロラド州で7日、米サウスウエスト航空が運航していたボーイング「737-800」型機の離陸時、エンジンを覆うカウリング(カバー)が落下し、翼のフラップ部分に衝突した。米航空当局が調査を開始している。

デンヴァー国際空港からヒューストンへ行く予定だったこの飛行機には、乗客135人と乗員6人が乗っていた。現地時間午前8時15分ごろ、安全にデンヴァー空港に戻った。

飛行機は一時、高度3140メートルまで到達していた。

米航空機製造大手ボーイングをめぐってはこのところ、製造と安全について懸念が高まっている。

サウスウエスト航空は、保守整備チームが「737-800」の点検を行うとしている。落下したエンジンカバーについては、保守整備の責任は同社にあると認めている。

同社は声明で、「遅延による不便をおわびする。ただ、利用客と従業員の安全を最優先している」と述べた。

米連邦航空局(FAA)によると、今回の飛行機は2015年に製造された。最新モデル「737MAX」と比べると、「737-800」は737シリーズとしては初期のモデルだという。

どちらのモデルも、米ゼネラル・エレクトリック・エアロスペースと仏サフラン・エアクラフト・エンジンズの合弁会社「CFM56」のエンジンを使用している。

FAAは、問題が起きた飛行機が着陸後、ゲートまでけん引されたと説明した。

BBCニュースはボーイングにコメントを求めたが、機体と運用の情報はサウスウエスト航空にあるとして、拒否された。

サウスウエスト航空は、予定時刻から3時間遅れで、乗客を別の飛行機でヒューストンへ運んだとしている。

ボーイング機のドア事故

今年1月に米アラスカ航空が運航していたボーイング「737MAX9」のドア部分が離陸直後に吹き飛んだ事故を受け、ボーイングには注目が集まっている。

同社は今月5日、この緊急事態をめぐる損失補填(ほてん)として、アラスカ航空に1億6000万ドル(約243億円)を支払ったと発表した。

この事故では、「ドアプラグ」と呼ばれる未使用の非常口を覆うパネルが突然吹き飛び、機体の側面にぽっかりと穴が開いた。当局はこれを受け、200機近い「737MAX9」の運航を一時停止した。

ボーイングの主力機「737MAX」は、2018年後半から2019年前半にかけて2件の墜落事故を起こし、計346人の死者を出した。その後、同社は評判の回復に努めていた。

この墜落事故の後、「737MAX」は18カ月以上にわたって運行を止められていた。

(英語記事 Boeing plane engine cover falls off prompting investigation

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