「人と人が向き合う」本来のコミュニケーションをとろう! 色眼鏡が苦しめている

【自信がない人にこそお勧めするコミュニケーション法・3】私たちは常に色眼鏡をかけながら、あらゆる物事を見ています。特に人と関わる時は、色眼鏡はさらに濃くなります。「この人はこういう人だ」「この人はこんな個性だ」「この人から以前こう言われたから今回もこう言われるだろう」などなど。過去のやりとり、出来事、それらが渾然一体となり、色眼鏡に反映されます。そうなると、自身の解釈によって形作られたキャラクターに過ぎなくなります。コミュニケーションが楽になれば良いのですが、大概は自身を疲れさせる方向に作用します。色眼鏡が自身を縛る。私たちはコミュニケーションに苦しみます。「レベル3」とは、そこから解放させてくれるやり方です。

レベル3コミュニケーション四つのステップ(ステップ2/3)

前回のステップの続きを説明します。

ステップ2

「物をあるがままに観察する」ということをステップ1で伝えました。今度は全く同じように、「人をあるがままに観察」してみましょう。まずは、当たり障りのない人が良いでしょう。例えば、外を歩く知らない人たちをウォッチングするような感じです。ただし、意識してほしいのは、「何の解釈もしない」ということです。ただ「あるがまま」を見つめる、もしくは眺めるのです。

これに慣れてきましたら、今度は自分に関わる人たちをあるがままに観察してみましょう。家族や友達、職場の方々など。あまりジロジロ見ていると変に思われるかもしれませんので、さりげなく。

面白いのは、苦手だと思っている人をあるがままに観察してみることです。実は、「苦手だ、苦手だ」というのも色眼鏡の一つです。自身の解釈で自身が苦しんでいます。あるがままに観察することで、その人の印象が変わるかもしれません。とはいえ、あまり深刻に考えず、軽い気持ちで行ってみましょう。

人をあるがままに観察する(人に意識を向け続ける)ということに慣れてきましたら、いよいよレベル3の本番です。

ステップ3

あるがままに観察するという行為を、会話の場面でそのまま行うのです。つまり、何の解釈もせずに、ただ目の前の人に意識を向け続けます。すると感性が豊か(敏感)な人でしたら、この瞬間にもう、これまでとはちょっと違った会話の始まりを予感するかもしれません。

意識をその人にだけ向ける。この単純なことが、ほとんどのコミュニケーションでは為されていません。しかし、本来「人と人が向き合う」とは、この状態のことを意味します。このコミュニケーションが本来の人と人とが向き合うためのコミュニケーションなのです。

もちろん意識を相手に向け、相手を観察し続けても私たちの頭の中にはさまざまな解釈(思考)が自動的に湧き続けるでしょう。それでも大丈夫です。それらの解釈もそのまま、あるがままにしておきましょう。ただ、ひたすら自分の意識を相手に向けます。観察し続けます。

やることはたったこれだけです。これ以外は、「いつもと同じ」で良いです。普通に会話をすれば良いのです。

「いやいや、こんな状態では普通に会話はできないでしょ」と思われるかもしれません。しかし、ぜひここを体験していただきたいのです。最初は少しやりづらいかもしれませんが、徐々に慣れてきます。

このステップ3は、家族や友達など、まず気さくに会話のできる人に試してみましょう。「相手の話を聴く時」のみに限定してレベル3をしてみる、という形でも結構です。さて、これをすることで、皆さんは何を感じるでしょうか。(ITSUDATSU・竹内直人)

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