“3倍”は本当? 『Gジェネ』『ガチャポン戦士』歴代ガンダムゲームで振り返るシャアの強さ

DVD版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』パッケージ

ガルマ・ザビやキシリア・ザビを暗殺し、パプテマス・シロッコを引きつけてティターンズ艦隊の壊滅の遠因を作るなど、宇宙世紀の歴史上のキーポイントで活躍した『ガンダム』シリーズのシャア・アズナブル。

連邦軍からは「赤い彗星」として恐れられる人物であり、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』第2話では彼の乗るシャア専用ザクIIについて「一機のザクは通常の3倍のスピードで接近します」と説明がされるほどだった。

そうしやシャアの強さは、アニメだけでなくゲームでも発揮されている。彼の誕生日である11月17日だけでなく、本日4月8日は「4(シ)」と「8(ヤ)」の語呂合わせからガンダムファンの間で「シャアの日」として祝われている日でもある。今回は「シャアの日」を機に、歴代ゲームではどのように「3倍」の強さが演出されてきたか、そのすさまじさを見ていきたい。

■攻撃能力はアムロも凌ぐ『SDガンダム GジェネレーションF』

まずはガンダムファンの間で人気が高いシミュレーションゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズより。

1998年にプレイステーション用ソフトとしてスタートした同シリーズ。以降多くの作品が生まれてきたが、初期の『Gジェネ』では、シャアに与えられたパラメータが凄まじく、全キャラ中最強というタイトルもあった。

特にその中でも、2000年8月に発売された『SDガンダム GGENERATION-F』はシャアの強さが神がかっている。

本作はニュータイプキャラへの補正が特に強いタイトルであり、ニュータイプレベル1につき、射撃値、格闘値、回避値のそれぞれのパラメータにプラス3の補正がつく。シャアのニュータイプレベルは9のため、補正は27だ。

オールドタイプのキャラを見てみると、ヒイロ・ユイのパラメータは射撃値、格闘値、回避値ともに30。アナベル・ガトーは射撃値、格闘値32で、回避値が31。彼らオールドタイプ最強格のパイロットと比べてみると、シャアはニュータイプ補正だけで拮抗しているという凄まじさなのだ。

そこにもともとの値を加えると、射撃値が60、格闘値も同じく60、回避値が54となる。これは回避値こそアムロに劣るものの、射撃値と格闘値はアムロを超えるパラメータであり、オフェンスではアムロに勝っていると言える。

また、格闘値が異常に高く設定されている『機動武闘伝Gガンダム』のガンダムファイターと比較しても、ドモン・カッシュの格闘値が40で、東方不敗マスター・アジアの格闘値が55と、ニュータイプ補正込みだとここでもシャアが勝ってしまうのだ。

惜しむらくは使うたびにレンタル料が発生してしまうレンタルキャラということだろうか。とはいえ、『GジェネF』最強といっても過言ではない性能なので、是非使ってその凄まじさを体感してみてほしい。

■シャアザクが本当に3倍『スーパーロボット大戦F 完結編』

セガサターンやプレイステーションで発売されたシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦F完結編』に登場するのは、『機動戦士Zガンダム』時代のシャアであるクワトロ・バジーナ。

『スパロボF完』では、ニュータイプがかなり強く設定されており、クワトロは物語の中心人物としてカミーユやアムロと並ぶ強さを誇るパラメータが与えられている。

2回行動解禁レベルがトップクラスに早く、そのうえ「集中」「魂」「覚醒」と、便利な精神コマンドを多数覚えている。間違いなくガンダム系パイロットの最強格であり、『スパロボF完』全体としても最強の一角である。

また、パイロットとしてでなく、イベント要員としての凄まじさも外すことができない。クワトロが説得することでハマーン・カーンが仲間になるのである。

ハマーンもまた、クワトロやアムロ、カミーユと同等の、トップクラスのガンダム系パイロット。ハマーンが加入し、強化型マジンガーZや、ウイングゼロカスタムといった、宇宙世紀ガンダム以外の強ユニットを育成している場合、シーブックすら二軍に落ちる可能性が出てくるだろう。いずれにしても、最強キャラがもう1人増えると考えると、貢献度は計り知れない。

また、『スパロボF完』では、シャア専用ザクIIが手に入るのもポイント。Zガンダムですら性能面で置いて行かれつつある『スパロボF完』の中盤でザクが仲間になっても……と思うなかれ。シャア専用ザクIIは、ニューガンダムやF91よりも運動性や限界反応が高く、移動力は本当に普通のザクIIの「3倍」、驚異の12なのである。

火力は普通のザクIIと同じのため、メインの戦力としては使いにくいが、MAPを縦横無尽に動き回る囮役や壁役としては、唯一無二の働きをするだろう。

■チート級の連射力『SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記』

ファミコン時代にも、シャアが凄まじい強さを発揮するゲームが存在する。それが1989年発売のシミュレーションゲーム『SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記』だ。『カプセル戦記』ではシャアの乗ったモビルスーツが多数使えるが、凄まじいのはCPUが操るシャアである。

シャアのCPUは、最強の強さを持っている。『カプセル戦記』はフィールドはシミュレーションゲームだが、接敵して戦闘になるとアクションとなる。フィールドでの立ち回りはもちろんだが、特筆すべきはアクション部分である。

CPUシャアは人間業ではない連射速度と命中精度で攻撃してくるため、連射の早いファンネル系や拡散ビーム系、バルカン系武器の機体が脅威となる。

攻撃を受けると、こちらの攻撃がキャンセルされてしまうというシステムなので、連射力が速く、移動も早い機体と当たった場合、一度、追いつめられるとそのまま何もできずにハメループされてしまうことが多々あるのだ。

最後に立ちはだかる「武者Zガンダム」は、スペックが最高クラスであり、スピードが速いうえにファンネルまで使ってくるという、CPUシャアにおける最強の機体。本拠地に居るため戦いを避けられず、戦略面でカバーしにくいといった、凄まじい性能を持っている。

宇宙世紀トップクラスのパイロットであるシャアは、アニメだけではなくゲームにおいても凄まじい強さであることが多かった。アナタはどのゲームのシャアが思い出深いだろうか。

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