3月30日、上海辰山植物園で、漢民族の伝統衣装「漢服」を身にまとい花見をする女性。（上海＝新華社記者/劉穎）
【新華社上海4月8日】中国上海市では清明節連休（4～6日）に大勢の人が花見を楽しんだ。春に花を愛でる習慣は古来変わらないが、同市では近年、花を買うだけでなく、花を食べる、飲むなど新たな「花経済」が生まれ、花をテーマとした消費が次々と出現している。
老舗レストランでも花の要素を盛り込んだ春の新メニューが登場。クラゲで花を形どった「花開富貴」、アワビもどきを花びらに見立てた「素鮑迎春花」、ピーナッツもやしとナマコの炒め物「花生芽炒海参」などがある。中心部の観光地、豫園にあり、国の晩餐会も開かれる老舗レストラン「緑波廊」が発売したパイ菓子「春見玉蘭酥」は、上海の市花でもあるハクモクレンをモチーフにしている。
3日、上海の老舗レストランが新たに創作したクラゲ料理「花開富貴」。（上海＝新華社配信）
花の要素は料理だけではない。一杯のコーヒーにも花経済が溶け込んでいる。コーヒー店が集まる通りとして有名な永康路では、花をテーマにしたカフェが早朝から人々でにぎわう。多くの女性グループ客がSNS（ソーシャルメディア）に写真を投稿し、カップの縁に季節の花があしらわれたハンドドリップのコーヒーを楽しんでいる。店の広さは10平方メートルに満たないが、コーヒーと花が見事に調和していた。
「コーヒーと生花」という新しい消費コンセプトは多国籍企業にも影響を与えた。米コーヒーチェーン大手スターバックスの中国法人、星巴克企業管理（中国）はこのほど、ディズニーと「不思議の国のアリス」に関するライセンス協定を締結。上海と北京で作品中の花をテーマにした店舗を立ち上げたほか、全国で花の香りのするコーヒーを発売した。
3日、上海豫園の老舗レストラン「緑波廊」が発売したモクレンの花をモチーフにしたパイ菓子「春見玉蘭酥」。（上海＝新華社配信）
上海市食品協会コーヒー専門委員会の施駿（し・しゅん）秘書長は、店の規模に関わらず季節の自然を適切にテーマに取り入れれば、上海コーヒーのマーケティングイノベーションの裾野を広げることができると述べた。
上海の花経済はすでに生花店だけのものでなく、消費のあらゆる側面に融合している。徐家匯の上劇場は毎年3～4月に現代舞台劇「暗恋桃源郷」（桃源郷の片思い）の桃花シーズンを上演。今年は巡回公演の規模も拡大し、花経済を舞台演出に取り込んだ。
ネットで人気の武康路にある有名生花店「ロサ・ガリカ」の責任者は取材に対し、生花店も花経済という大きな商機を前に顧客ニーズに合わせて業態を微調整していると説明。花の販売やアレンジメントサービスのほかにもアロマセラピーや緑化による環境改善など新事業も開拓していると語った。（記者/許暁青、劉穎）
3月25日、上海市永康路のコーヒー街で、生花をテーマにしたコーヒー店とコーヒー飲料を撮影する人。（上海＝新華社記者/許暁青）
3月22日、花に囲まれた上海ディズニーランド。（上海＝新華社配信）
3日、「不思議の国のアリス」をテーマにしたスターバックス店舗の装飾。（上海＝新華社配信）
3月30日、上海市徐家匯の上劇場で上演された現代舞台劇「暗恋桃源郷」（桃源郷の片思い）。（上海＝新華社記者/許暁青）
3月30日、上海市青浦区のマンション「万科UniCity天空之城」で、満開の桜の下で開かれた写真展を見る人。（上海＝新華社記者/劉穎）
3月30日、上海辰山植物園の生花バザールで販売された手作りの香袋や花茶。（上海＝新華社記者/劉穎）
3月29日、上海市浦東新区陸家嘴（りくかし）地区の高層ビル街に咲く桜。（上海＝新華社記者/劉穎）
3月30日、上海辰山植物園の生花バザールを楽しむ人たち。（上海＝新華社記者/劉穎）
3月30日、上海市の竜華風景区で、満開のハナカイドウをバックに記念撮影する人たち。（上海＝新華社記者/許暁青）
