中川大志&上白石萌歌、加藤組初参加で充実感「本当に刺激的な時間」「とても幸せな経験に」『滅相も無い』完成披露

By TV LIFE

4月16日(火)にスタートする、気鋭の劇作家・演出家の加藤拓也が監督・脚本を担当するMBS/TBSドラマイズム『滅相も無い』(MBS 毎週火曜 深夜0時59分~、TBS 毎週火曜 深夜1時28分~/配信あり)の完成披露トークイベントが行われ、中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、加藤拓也監督が登壇した。

監督・脚本を務める加藤拓也は、第67回岸田國士戯曲賞、第30回読売演劇大賞 演出家賞部門優秀賞、また世界を変える30歳未満として「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」に選出されるなど注目を浴びている舞台作家。

映像でも、NHK『きれいのくに』で第10回市川森一脚本賞受賞、自身で監督・脚本した映画「ほつれる」はナント三大陸映画祭で受賞するなど、演劇と映像を自由に行き来しながら目覚ましい功績を残し続ける加藤が、初めて連続ドラマで全話脚本・監督に挑み、演劇と映像を交差させた完全オリジナルのSFヒューマンドラマを作り上げる。

キャストには、中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝、堤真一という深夜ドラマとしては異例の豪華俳優陣が集結する。


第1話と第2話の先行上映前に行われた完成披露トークイベント。上白石が「映像と演劇を行ったり来たりするようなドラマで、このような場所でいろんな方と隣り合わせで映像体験をしていただけるというのはすごい貴重な経験だと思うので、私も皆さんに交じりたいなと思いながら今ここに立っております」と語り、大きなスクリーンで視聴する観客をうらやんだ。

加藤組に初参加となった中川は「舞台で加藤さんの作品は見させていただいたことがあったんですけど、今回この『滅相も無い』の脚本を読ませていただいて、リアルと非現実がすごく隣り合わせにある世界観が僕、好きなんですが、こういう突如穴が現れるという世界観が、もしかしたら、自分たちの日常にも訪れるかもしれないと、その切り口がとても好きでワクワクしましたし、演劇と映像をミックスしたような手法で撮っていくということで、本当に現場入るまでは自分たちも想像できてない部分が本当に多かったので、楽しみでした」とニッコリ。

『滅相も無い』中川大志

“思い出す菅谷”を演じた染谷は、役柄について「本読みの時に『ずるい男だけども、すごく、ある種一番普通の人間です』と監督がおっしゃられて。でもすごくそれが自分の中ではしっくりきました」と明かしつつ、「めちゃくちゃしゃべるし、自分が演劇の経験が薄いってのもあって、不安でした」と語ると、加藤監督は「すごくしゃべるんですよ。演劇のせりふでも本当によくしゃべる」と、加藤組ならではのせりふ量の多さに触れた。

中川と同じく、加藤組に初参加となった上白石は「私もずっと加藤さんの舞台を拝見してきまして。その中で“加藤さん語”というのがあって、演劇作品でも映像の作品でもあるんですけど、例えば普通にしゃべっている時に『あのー、えっと、なんだっけ』などと言うじゃないですか。そういう日常的な会話のエッセンスがすごく加藤さんの脚本は盛り込んでいて。それに普通にしゃべっていてかんでしまうこともあると思うのですが、そういうかむみたいなニュアンスが加藤さんは脚本に落とし込んでいて。その“加藤さん語”を早く話してみたいなっていう気持ちでいっぱいでした」と明かし、「ちょっといつもよりもせりふを入れるのに時間がかかりました」と語った。

『滅相も無い』上白石萌歌

一足先に映像を見たという上白石は「今までに見たことのない映像体験をしました。皆さんこれからご覧になると思うのですが、 映像の中で画面転換をするんですよ。着替えたり、同じ人が急に別の役に変わったり、普通カットしてドラマって進んでいくと思うんですけど、ワンカットで、その中で人が人の力で動いて場面を変えていくということをしているので、見ていて一秒の飽きなくて、まだまだずっとこの世界にいたいなっていう気持ちになりました」と感想を明かした。

“帰国生の青山”を演じる森田は、本作で初めてバレエにチャレンジ。「作品のために少し習い事をして入るというのはすごく楽しい過程だと思っているので、 時間も短い間ではあったんですけれども、バレエをやっているという背景をいただいて作品に臨ませていただいて。先ほど皆さんもおっしゃっていましたがしゃべるイメージが私もあったのですが、今回たまたま私、あまりしゃべっていないんです。しゃべる人へのライトの当たり方と、しゃべらない人、受け手の演出まですごくいつもこだわってやってくださるので、その現場を今回も楽しんでできました」と。

『滅相も無い』加藤拓也監督

本作の脚本も手掛けた加藤監督は「今皆さんがおっしゃっていたように、演劇の手法と映画の手法と両方使っていって。演劇のアナログな手法を取り入れることはそんなに珍しくないかなと思いながらやってはいるんですけど、でも、映像表現の中でもいろんな手法を今回取り入れることができたらいいなと思って。紙芝居やCGももちろん使っていますし、AIも使ったりしていて、いろんな映像表現の方法と、演劇の表現の方法を混ぜこぜにして、自分が今両方ともやっているからころ、いろんな表現方法を取り入れてみようかなと思って、ゲームモデルを使ったりもしました」と裏話を明かした。

撮影中は“穴”がない状態で、イメージで撮影されたという本作。そこで、キャスト陣が脚本を受け取った段階でどんな穴を想像したのかフリップで紹介。穴に続く階段を描いた森田のイラストを見た染谷は「俺、想像力が乏しい」とポツリ。上白石は好物のドーナツを描き、「時間がなかったんですけど、身近なもので穴といえばドーナツ」と理由を明かした。

中川は「穴と聞いたときに、パッと思い浮かんだのは、地面に穴で、落ちるものというイメージがあったので、穴が立っているのは発想になかったです」と解説した。

最後に中川は「すごく面白くなっていました。芝居がうまい人しかいないので、現場ではドキドキしちゃって、本当に刺激的な現場でした。そして、加藤監督の紡ぐ言葉だったりとか世界観をちょっとでも自分で解釈して落とし込んで表現したいなという思いでやらせていただきました。未知なる新しいエンターテインメントを、物作りをしている時間という感じがして、本当に刺激的な時間でした。楽しみに見ていただければなと思います」と。

『滅相も無い』染谷将太

染谷は「虚構と現実のその微妙な距離感というのを見事に加藤監督は表現されていて、虚構性がしっかりとあるからこそ、ものすごく何かが現実的に迫ってくるという本当に不思議な作品だなと思いました。なかなか感じたことない体験もできると思います。たくさんの方々に見ていただけたら幸せです」。

上白石は「夢の加藤組にこうして参加できたことをすごくうれしく思います。何よりまだまだたくさん魅力的なキャストの方々がいらっしゃって、その皆さんと一緒に1つのものを作っていけたということがとても幸せな経験になりました。この4月というのは、皆さんにとって新しい生活や出会いがある中で、心が揺れたりする瞬間が多い季節だと思うんですけど、この深夜という誰にも邪魔されない時間に、加藤さんの現実と非現実を行ったり来たりする、とても居心地がいい、でもどこか危ういみたいな時間にぜひ身を委ねてほしいなと思います。面白いなと思ったらぜひ拡散していただければと思います」とアピールした。

『滅相も無い』森田想

森田は「私自身、こんなにすてきな本当に素晴らしい力量のたくさんある大きな背中ばっかりのキャストの皆さんの中に入って、こうした作品に参加できたこともうれしかったですし、実際に構図だったり、カメラワークや、音楽、言葉もそうですし、全部がすごく新鮮で、繊維的な、尖った、でもどこか心の中に着地するような物語になっていて、必ず楽しんでいただけると思うので、仕事終わりだったり、1日の終わりに楽しんでいただけたら」と。

加藤監督は「穴ばっかり注目されてしまうんですけど、そんなに実は派手な物語でもないんです。出てくれてる俳優1人1人のキャラクター、出てくる登場人物1人1人の人生のある一部分を僕が育てた物語なので、そんなに本当に派手なお話じゃなくて。それが本当に深夜に見るのがぴったりなドラマになっているのかなと思うので、ぜひいろんなお話を最後まで味わってみていただけたらなと思ってます」と語り、イベントを締めくくった。

『滅相も無い』左から)中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、加藤拓也監督

番組情報

ドラマイズム『滅相も無い』(全8話)
2024年4月16日(火)スタート
MBS:毎週火曜 深夜0時59分~
TBS:毎週火曜 深夜1時28分~

<配信>
TVer、MBS動画イズム 見逃し配信1週間あり

<キャスト>
中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝/堤真一
ナレーション:津田健次郎

<スタッフ>
監督・脚本:加藤拓也
主題歌:クリープハイプ 「喉仏」(UNIVERSAL SIGMA)
企画・プロデュース:上浦侑奈(MBS)
プロデューサー:戸倉亮爾(AX-ON)、林田むつみ(MEW)
制作プロダクション:AX-ON
協力プロダクション:ウインズモーメント
製作:「滅相も無い」製作委員会・MBS

公式HP:https://www.mbs.jp/messoumonai/
公式X&Instagram&TikTok:@dramaism_mbs

©「滅相も無い」製作委員会・MBS

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