県立博物館はあったけど…「全国で最後の県立美術館」が鳥取県倉吉市に完成 2025年3月開館予定

倉吉市に完成した鳥取県立美術館

 「おそらく全国で最後の県立美術館」とされる鳥取県立美術館が倉吉市に完成し8日、竣工(しゅんこう)式があった。世界的建築家の槙文彦氏が代表を務める槙総合計画事務所(東京)などが設計。作品の搬入などを経て来年3月30日に開館する予定。

 美術館は高さ約21メートルの3階建て延べ1万598平方メートル。3階に千平方メートルの企画展示室があり、年4回展覧会を開く予定。2階には収蔵品などを紹介する5つの常設展示室がある。1階には吹き抜けスペースを設けて開放感を演出。2、3階にはテラスを設けて周囲の景観も楽しめる。建設費は約65億円。2040年までの管理運営費を含めた総事業費は約147億円。

 同館では県教委が22年に約3億円で購入したアンディ・ウォーホルの代表作「ブリロの箱」5点も展示予定。高額購入には批判もあり、県では開館後、来館者による投票で保有の是非を判断する方針。

 県には鳥取市に県立博物館があるだけで県立美術館はなかった。平井伸治知事は「県民の力をもらいながら、未来に引き継げる自慢の逸品に仕上げたい」と話していた。

© 株式会社中国新聞社