5日放置したパスタで死者も 海外で話題の「チャーハン症候群」 予防のポイントは

残したチャーハンやパスタが原因で食中毒になることが(写真はイメージ)【写真:写真AC】

新生活が始まり、自炊を始めた人も多いでしょう。手早く作れるチャーハンやパスタは自炊の強い味方ですが、つい食べ切れない量を作ってしまい、残してしまうことがあります。その際、またあとで食べるからいいやと、そのままキッチンカウンターやフライパンに残していませんか? その行為はとても危険です。「チャーハン症候群」と呼ばれる食中毒が、海外で注目されています。

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「嘔吐型」と「下痢型」があるセレウス菌起因の食中毒

「チャーハン症候群(fried rice syndrome)」とは、SNSで誕生した造語で、セレウス菌に起因する食中毒のことです。海外で話題になり、2023年9月にTikTokで公開された注意喚起の動画は、26万件以上の“いいね”を集めています。

米ニュースサイト「パレード」は5日、専門家の意見を交えこの動画を紹介。症例として、20歳の男性が冷蔵庫で保管していなかった5日前のパスタを食べて亡くなったという記事が紹介されており、動画を投稿したユーザーは「学生のみなさん。食べ物をタッパーに入れ、カウンターに1週間放置しないでください」と呼びかけています。

実は日本でも、セレウス菌による食中毒に注意が呼びかけられています。農林水産省のウェブサイトによると、セレウス菌による食中毒には「嘔吐型」と「下痢型」があります。

「嘔吐型」の場合は、チャーハンやピラフ、焼きそばやスパゲティなどが原因になりやすいそう。食品中で作られた毒素によって、食後1~5時間で吐き気や嘔吐、腹痛が起こります。日本では、「嘔吐型」が多いとされているようです。

「下痢型」の場合は、小腸の中で作られた毒素により、食後8~16時間で腹痛や下痢が起こります。あらゆる食品が原因になるため、注意が必要です。

予防のポイントは次の通り。

・一度に大量の米飯や麺類を調理して作り置きしない
・米飯や麺類などを保存するときは、小分けにして速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
・調理済みの食品にフタやラップをし、台所を清潔にするよう心がける

セレウス菌はあらゆる場所に存在し、暖かくなるこれからの季節は、セレウス菌に限らず食中毒が発生しやすくなります。調理時は衛生に気をつけ、作ったものは早めに食べ切るようにしましょう。

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