積立投資の敷居を下げる!新NISAなど投資初心者向け「ポイント投資」ガイドまとめ

個人投資家「ポイント投資」利用率は46%

2024年、大幅な制度変更が行われた新NISAがスタートしました。これをきっかけに、資産運用にチャレンジしたいと考えている方もいるかもしれません。

しかし、株式投資で自分のお金を増やしたいと考えても、元本割れするリスクなどを考えて勇気が出せない方も少なくないかと思います。

そんな方は、一案として「ポイント投資」へのチャレンジを検討してみてください。自分が貯めたポイントを使って投資をするポイント投資は、その他にも多くのメリットがあります。

今回はポイント投資の概要やメリットなどをご紹介します。記事の後半では「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査」から、ポイント投資の実態などを探っていきましょう。

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そもそも「ポイント投資」とは?

最近、楽天ポイントや、dポイント、Tポイントなど、カード払いやスマホ決済でポイントを貯めて「ポイ活」をしている人が増えてきました。

実はこれらのポイントを使って、投資を行うことが可能。もらったポイントを使う投資を、一般的に「ポイント投資」と呼びます。

通常の投資との違いは、お金の代わりにポイントを使用すること。買い物などで得たポイントを使って投資するため、投資未経験者でも始めやすいといえるでしょう。

【比較】「ポイント投資」と「ポイント運用」の違い

様々なサービスを利用するなかで、ポイント投資とポイント運用という異なる表現を耳にした方もいるでしょう。

これらは、それぞれ異なるサービスです。ポイント投資とポイント運用の違いを解説します。

「ポイント投資」と「ポイント運用」の違い

ポイント運用とは、ポイントが金融商品の価格(投資信託の基準価額など)に連動して増えたり減ったりするもの。投資を疑似体験できるサービスを指します。

サービスやポイントの種類によって、大きく積極的な運用を目指したり、安定的な運用を目指したりなど、さまざまなコースが設定されています。

ポイント運用は、あくまでも投資の疑似体験。運用終了後は「ポイント」で返ってきますが、実際の金融商品を購入しているポイント投資の場合は、運用終了後は「お金」で返ってくる違いがあります。

また、ポイント投資は証券会社の口座開設が必須ですが、ポイント運用では基本的には不要です。

ポイント投資のメリット3つ

ポイント投資には、大きく3つのメリットがあります。

ポイント投資のメリット1.現金を使わずに投資できる

ポイント投資の最大のメリットは、自分の現金を使わずに投資をはじめられる点です。

買い物などで得たポイントで投資信託や株などを買って取引するポイント投資の場合、自分の貯金や預金残高が減るわけではないためより気軽にチャレンジできるのではないでしょうか。

ポイント投資は、100ポイントを100円などルールに従って現金化し、そのお金を使って投資するのが主流のようです。

ポイント投資のメリット2.少額でも投資できる

ポイント投資の多くは、1ポイント(=1円相当)からポイント利用できます。少額から投資できるので、リスクが怖い投資初心者の方にも向いているでしょう。

最初に現金化するためNISAの非課税口座を活用して、ポイント投資することも可能。投資未経験者の方は、値動きや売り時・買い時を見極める経験ができるため、本格的な投資を行う前の勉強としても良いでしょう。

ポイント投資のメリット3.配当金や分配金をもらったり、株主優待を受けることができる

ポイント投資であっても条件を満たせば、株の配当金や投資信託の分配金、株主優待を受けることが可能です。

現金で投資をした時と同じようなルールで投資ができるので、投資初心者の人が、実際に投資をしながら、資産運用とは何かという勉強をすることができるでしょう。

次の章からは、ポイント投資に関する質問が含まれた意識調査の結果と、ポイント投資でおさえておきたい注意点をチェックしていきましょう。

【最新】ポイント投資や運用を行う人の支持を集めるポイントは?

スパークス・アセット・マネジメント株式会社が「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2023」を実施。

調査の概要は以下の通りです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20~79歳の投資経験者
    (日本株式、外国株式、公社債、投資信託など金融資産への投資経験がある人)
  • アンケート母数:1000名(全国)
  • 実施日:2023年11月6日~11月7日
  • 調査協力会社:株式会社ネットエイジア
  • リリース公開日:2023年12月7日

投資家の“ポイント投資”利用率は46%、30代投資家では56%

投資サービスの利用率(各単一回答形式)

代表的な5つの投資サービスを提示し利用状況を聞いたところ、全体の結果は以下の通りでした。

  • 「ポイント投資」45.9%
  • 「おつり投資」8.0%
  • 「ロボアドバイザー投資」6.9%
  • 「テーマ型投資」7.7%
  • 「ソーシャルレンディング投資」3.5%

年代別にみると「ポイント投資」「テーマ型投資」では30代(順に55.7%、13.1%)が最も利用率が高く、「おつり投資」「ロボアドバイザー投資」「ソーシャルレンディング投資」では20代(順に13.6%、12.4%、6.5%)が最も利用率が高くなりました。

ポイントで投資できる「ポイント投資」だけでなく、ユニークなサービスは多岐にわたります。

今回の選択肢で登場しただけでも、買い物のおつりを自動で積み立て投資してくれる「おつり投資」、ロボットに資産運用を代行してもらう「ロボアドバイザー投資」、好きなテーマを選ぶと銘柄を自動で選択してくれる「テーマ型投資」、ネット上で企業を仲介してもらう「ソーシャルレンディング投資」など様々です。

自分にあった投資方法を見つけていきたいものですね。

ポイント投資で覚えておきたい注意点3つ

最後に、ポイント投資について覚えておきたい注意点をチェックしていきましょう。

ポイント投資の注意点1.損をすることがある

ポイント投資であっても、損をすることがあります。

原資はポイントなので、銀行の預金や貯金自体が減るわけではありません。しかし、市場の状況により、投資した商品が値下がりすると、投資したポイントの価値が元々よりも減ってしまうことがあります。

ポイント投資の注意点2.手数料がかかるケースがある

ポイント投資であっても、一般的な投資と同じように取引手数料がかかります。

最近では、ネット証券などを活用すれば手数料無料で取引できる投資信託も増えてきています(信託報酬はかかります)が、株式投資の場合、取引金額により売買手数料がかかるのが一般的です。

ポイント投資で株式を購入した場合は、現金で取引をした時と同じように手数料が発生すると覚えておきましょう。

ポイント投資の注意点3.投資できる商品が少ない

ポイント投資では投資ができる商品に限りがあるケースがあります。投資の対象にこだわりたい人は、ポイント投資を始める前に、取り扱っている商品を確認しておく必要があるかもしれません。

証券会社やポイントの種類によって取引できる商品数が異なるので、事前に確認しましょう。

まとめにかえて

ポイント投資は、はじめて投資にチャレンジしたい方に向いている投資方法です。

楽天証券で使える楽天ポイント、SMBC日興証券のdポイント、SBI証券のTポイントなど、主要なポイントで自分が使いやすい証券会社がある方は特にはじめやすいでしょう。

また、日々の買い物で貯まったポイントをそのままにしている場合、もったいないと感じることもあるかもしれません。ポイントを無駄なく活用したい場合、ポイント投資も選択肢のひとつとして検討してみてください。

参考資料

  • スパークス・アセット・マネジメント「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2023」(PRTIMES)
  • 楽天証券「ポイント投資」
  • SMBC日興証券「ポイントサービス」
  • SBI証券「SBI証券のポイントサービス」

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