転職や結婚など自己都合で会社を退職した従業員を再び雇う制度が、中国地方の企業で広がりつつある。卒業生や同窓生を意味する英語にちなんで「アルムナイ制度」とも呼ばれる。新卒採用が厳しくなる中、各社は過去の経験や転職先で磨いた能力を生かしてもらい、即戦力の確保につなげる。
カーエアコン製造の日本クライメイトシステムズ（広島県東広島市）は2月、ホームページの採用案内に新卒、キャリアに加えて「アルムナイ採用」の募集要項を載せた。昨年度に元従業員を1人採用したが、広く募ることにした。
背景には人材確保の難しさがある。今春の新卒採用は10人の計画に対し8人だった。工業高から大学に進学する生徒が増えて高卒の採用が厳しくなった上、九州からの応募も減ったという。
アルムナイ採用では、本人の能力や職歴などを考慮し、復帰後の役職や待遇を決める。同社は「社内ルールや人間関係も把握しており、即戦力として採用できる」と期待する。
